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(優太Side)

美久プラス音大生との合コンは、オーソドックスに居酒屋で合流し、それなりに盛り上がり、何となく二次会する?のノリで、カラオケに来ている。


「優太くん、どうしたの?」

隣の美久が話しかける。

「ん?何で?」

「だって、さっきからずーっとスマホいじってるもん。」

「え、そうかな?」


...確かに、LINEの通知がこないかなーと、気にはしている。

でも、今日は、こない。

「あ、ゴメン。気にしちゃった?」

「ううん、大丈夫だけど...もしかして、つまんない?」

「いやいや、そんなことないよ。楽しんでる。」

「...優太くん、よかったらこの後2人で、」


やっぱり、一言だけでも、LINE送ろう。


「あ、ちょっとトイレ?行ってくるわ。」

美久にそう言い残し、部屋を出る。


化粧室には、すでに誰かがいるようだ。

ガラスの向こうに人影が見える。

とりあえずドアの前の壁にもたれ、スマホをポケットから取り出す。


「...て、やめて、」


ん?


ドアの向こうから、女の人の声が聞こえる。


「...やめて、お願いだから、もうやめて下さい。」

女の人の声は、どんどん泣き声に変わってきている。


中で、何が、起きてる?

え、女の人、泣いてるよね?

1人か?


目を凝らして、くもりガラスの向こうを見ると、人影がふたつ見えた。

小さな影に重なるように見える大きな影。

大きな影が動く度、女の人の小さな悲鳴とも思える声が聞こえる。


これは、大変なことが起きてるはず。

通報、する?

でも、とりあえず中に入って、状況を確認するのが先だよね。

よし、まず突入して、俺ができることは、しよう。




「何してるんすか?」

思い切って、ドアを開ける。

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作者名:Momanao | 作成日時:2019年9月8日 23時

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