16 ページ17
(優太Side)
美久プラス音大生との合コンは、オーソドックスに居酒屋で合流し、それなりに盛り上がり、何となく二次会する?のノリで、カラオケに来ている。
「優太くん、どうしたの?」
隣の美久が話しかける。
「ん?何で?」
「だって、さっきからずーっとスマホいじってるもん。」
「え、そうかな?」
...確かに、LINEの通知がこないかなーと、気にはしている。
でも、今日は、こない。
「あ、ゴメン。気にしちゃった?」
「ううん、大丈夫だけど...もしかして、つまんない?」
「いやいや、そんなことないよ。楽しんでる。」
「...優太くん、よかったらこの後2人で、」
やっぱり、一言だけでも、LINE送ろう。
「あ、ちょっとトイレ?行ってくるわ。」
美久にそう言い残し、部屋を出る。
化粧室には、すでに誰かがいるようだ。
ガラスの向こうに人影が見える。
とりあえずドアの前の壁にもたれ、スマホをポケットから取り出す。
「...て、やめて、」
ん?
ドアの向こうから、女の人の声が聞こえる。
「...やめて、お願いだから、もうやめて下さい。」
女の人の声は、どんどん泣き声に変わってきている。
中で、何が、起きてる?
え、女の人、泣いてるよね?
1人か?
目を凝らして、くもりガラスの向こうを見ると、人影がふたつ見えた。
小さな影に重なるように見える大きな影。
大きな影が動く度、女の人の小さな悲鳴とも思える声が聞こえる。
これは、大変なことが起きてるはず。
通報、する?
でも、とりあえず中に入って、状況を確認するのが先だよね。
よし、まず突入して、俺ができることは、しよう。
「何してるんすか?」
思い切って、ドアを開ける。
63人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:Momanao | 作成日時:2019年9月8日 23時