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(優太Side)

あー、疲れた。

時刻はもうすぐ8時になるところ。

しっかしこんなに実験が長引くとは思わなかった。

徹夜明け。

まぁ、そんなに珍しいことではないけれど、多少固まっている脚を意識して、しっかりとペダルを漕ぐ。

朝の爽やかな風を感じる...



ひゅん!!!


一瞬強い風が吹いたと思ったら、猛スピードで俺の自転車を走って追い抜いていく女の人。




べちっ!!!

数メートル先でばったり倒れて動かない。

しばらく見つめたあと、慌ててその人に駆け寄る。


「大丈夫ですか...?」

「...痛い。」

むくっと、起き上がるその人。


「あ...」

足元を見ると、ヒールが折れている。

その瞬間、その人は折れていない方の靴を脱ぎ、ヒールを

「え、折るんですか?!」

「じゃないと走りにくいでしょ!...うらっ!!」

ヒールを無理矢理折ろうとしている。

「...うわもう無理。ねぇ、折ってよ!!」

「え?」

「いいから早く!!時間がない!会社に遅れる!!」

「え、あ、はい!じゃあ、折ります!!すみません!」

「はい!お願いします!!」

本当にいいのかな?

少し罪悪感に苛まれつつ、ヒールを何とか折る。


「よし、ありがと!!これでバス停まで行くだけ...」

バス停までは、まだちょっと距離がある。

ちらっと俺の顔と自転車を交互に見て、圧?みたいなのをかけてくる。

「あの...よかったら、乗せていきま、」

「え、ホント?ありがとう!!じゃ、急いで!」

半ば強制的に女の人を後ろに乗せ、立ち漕ぎでバス停まで急ぐ。



...が、間に合わなかった。

バスを2人で見送る。


「...すみません。」

「...もう、これは、会社休めってことよ!ね、そう思わない?こんなにいい天気だしさ!」

ごめんね、急いでくれたのに、と謝ってくれながら会社に電話をかけている。

途中でゴホゴホと、わざとらしい咳をしながら連絡をしている。


「ねぇ、お礼に何かさせて!」

「いや、大丈夫です!」

「ていうか、こんないいお天気だし、外でなんか食べよう!」

「え、あっ...」

はやくはやく!!と、強引に促されるまま動き出す。

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作者名:Momanao | 作成日時:2019年9月8日 23時

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