天使、拾いました。2【白】

緊張 ページ42

.








「Aちゃんおいで〜」






髪を乾かして寝室に行くと、先にベッドに入っていた天使


彼の隣に入ると、私の手を探し当ててきゅっと繋いでくるから

これ以上ない多幸感に包まれる








「…一日本当に幸せだったなぁ

家事からマッサージまでたくさんありがとうね」








彼の目を見て言うと、彼が私の頭をくしゃりと撫でる








「んーん！逆にこれだけで良かったのってくらいだよ」






「充分色々やってもらいましたよ？

今までの誕生日で1番幸せだったなぁ」









そう言うと、あ〜〜って言いながら

私を抱き枕みたいにぎゅうぎゅうに抱きしめてくる




足まで絡まってきて全く身動きが取れない









「ら、ラウールさーん…？」





「襲いたい！」





「…はい？」





「このまま襲っちゃいたい！」




「…いやいや、え、ん？」









突然の衝撃告白に理解が追いつかない








「だって、お姉さんの誕生日だよ？聖なる夜だよ？」




「それはクリスマスじゃないかな…？」




「も〜いーの！そういうことは！」









私を抱きしめる力が少し緩んだから

やっと解放されたと思ったその瞬間









「え、ちょっと！？」









私の上に跨る天使…いや、1人の男の子









「わ〜…こんな眺めなんだ…ちょっと最高、かも」





「…じゃなくって！え！？ちょっと待って！？」




「も〜ジタバタしないの」




「ラウ！まさか、え、嘘でしょ？」









「…本気だって言ったらどうする？」









嘘、やばい、待って

この3言しか出てこないほど

今までにない本気の目に頭の中で警報が鳴る





吹き飛ばされた語彙ではなんの抵抗もできなくて

彼が首に顔を埋めて軽くキスしてくる









「ら、ラウ…ダメだって…」









顔を上げた彼は鋭い目で私を殺す








そして、その綺麗な顔がゆっくり迫ってくる








私はただ、ぎゅと目をつぶった

・→←・

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す