おじゃんぷカルテ

カルテ3-2 ページ10

涼介 side




涼介「ねぇ伊野ちゃん？お利口にするからお家がいい…なぁ…」




熱計ったら結構あってこのまま診療所に連行されるのは目に見えていたから




せめてものわがままを言ってみた…




疲れてるから家でゆっくり休みたいってのも本音だし



慧「え〜うーん…まぁいっか。」




涼介「やった！ありがとう伊野ちゃん」




よかった、ダメって言われなくて♪





·




伊野ちゃんが荷物を取るために診療所に寄って俺の家に向かう





慧「おじゃましまーす



じゃあ山田はソファに座って、診察するよ」





涼介「えぇ、いきなりやるの？泣」





慧「文句言わない。お利口にするって約束でしょ？




怖いことしないから泣かないよ」





涼介「泣いてないし」





慧「はいはい」





俺の小さな抵抗はテキトーに流されて、気がついたらソファに座らされてるし




伊野ちゃんは床に立膝をついて俺と向かい合う形





慧「もしもしするね、山田？手は横だよね」




着ているニットの裾を抑えるっていう小さな抵抗も不発で




サッと聴診器を服の中に入れてきた






涼介「ん〜泣」



慧「大丈夫大丈夫。深呼吸して〜吸って〜吐いて〜もう1回…」





やっぱり聴診器の感覚が無理で仰け反るとすぐ後ろに手が回ってきて




伊野ちゃんの優しい顔を見ながら頑張って深呼吸に意識を集中





慧「はいおしまい。喉は痛くない？」




涼介「うん、全然」




慧「やっぱり疲れからくる熱かな。」

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