おじゃんぷカルテ

カルテ4-3 ページ14

光 side



いやいや検温も聴診も抵抗虚しくされるがまま…



薮にくっついてれば喉は診せなくて済むと思ったのに



伊野尾にくすぐられて一瞬力を抜いてしまった次の瞬間




俺は薮から引き離されて圭人に後から固定され、動こうとしてもビクともしない状況だった




慧「ひかるくーんあーんしよーね？」




左手にライト右手に舌圧子を持った伊野ちゃんが近づいてくる






光「………ぁっ」





その圧に耐えられなくて小さく口を開けると



すかさずその隙間から口を大きく開けられてしまった





光「あ……おえっ……泣」




慧「ごめん、気持ち悪かったね」






無事終わり圭人の固定も離れてホッとしてたんだけど…



見ちゃった…俺の大っ嫌いなやつ




銀色のトレーに乗った鋭い針。




自分の身体に刺されると思うと怖すぎて思わず診察室を飛び出していた。





宏太「おい！ひかる！！！」



圭人「え？光くん！？」





熱でいかれてる体で走ったけどちょっと診察室の外まで行くのが限界で



仕方なく自動販売機の横の死角に隠れた。




しばらくすると「ひかる〜どこいったー？」と薮との声が聞こえる




「注射したくない。見つかりませんように。」






そんな願いが叶うわけもなく…




薮「あ、いた…おい光！全く…おまえ…早く来い」





光「やだ！やぁだ！やぶっ…ごめっ…なさ…泣…ｸﾞｽｯ」




薮は俺のことを見つけるとちょっと怒った様子で俺の手首を掴んで引きずるように診察室に向かった





宏太「ごめん、光いたわ。さっさとやっちゃって」




診察室に着くとベッドの上に俺をうつ伏せにして腰のあたりに乗っかってきた





光「ねぇ、やだ！薮やめてよ！！！」





俺らを見て圭人も伊野尾も驚いた様子だったがすぐに動き出した




圭人「光くんごめんね？足もちょっと抑えるよ」






慧「ズボンおろすよ。



じゃあチクッとするからね」




光「いたーーい！！！泣 おしりやだ〜ｸﾞｽｯ




あーーー！いだーーい泣…痛いよぉ！もうやだ泣」



お尻にチクッとしたと思ったらズーンと薬が入ってくる感覚に襲われて



痛すぎてもう我慢出来ない！と思ったところで「終わったよ」と声がかかった





光「痛い…もうやだ…みんな嫌い泣」



宏太「もう終わったから泣くなって。注射苦手なのに頑張ったな。」



お尻に筋注とかもう絶対したくない。

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