Aster ページ7
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ある日のレッスン中。
他社から来ている人から声を掛けられた。
｢こんにちは。キミは練習生だよね？｣
｢はい。そうです。｣
｢これ、僕の名刺です。｣
渡された名刺にはSMentertainmentと書かれていた。
｢SM…!?｣
韓国で知らぬ者はいない大企業である。
｢実はキミに興味を持って。少し話せるかな？｣
そう言われたが、私はアイドルとしてデビューする気は無い。
｢すみません。他の子をスカウトしてください。｣
そう言うと、男性は目を丸くして止まった。
｢…どういうことかな？｣
｢私は作曲家になりたくてPLEDISに所属してます。
練習生をしているのは、人脈を広げるためと若い時にしか出来ない経験だからです。
この事は、事務所も承諾してくださってます。｣
そうはっきり言うと、男性は黙り込んでしまった。
｢…戻ってもいいでしょうか？｣
なかなか話出さない男性に痺れを切らし、自分から離れようとする。
｢待って！｣
男性に腕を捕まれ引き止められてしまった。
｢他の事務所で人脈を広げる気はない？｣
なんて魅力的な言葉なんだ。
将来自分が作曲家になった時、曲を提供出来る場所が沢山あれば有難い。
｢どう？興味あるでしょ？｣
キラキラした男性の目が圧をかけてくる。
｢…我社から出る気はありませんよ。｣
｢大丈夫！移籍しろとは言わないから！｣
なぜそんな事を勝手に決められるんだ？この人。
｢あの、一度社長に相談しても…？｣
｢あぁ！構わないよ！決まり次第連絡してくれ。｣
男性に一度頭を下げレッスンルームへ戻った。
その日の夜。
事務所から出る前に、社長室を尋ねた。
社長室の前には秘書さんのデスクがあり、秘書さんはまだ仕事をしていた。
｢こんばんは。｣
｢あら、Aちゃん。｣
日本らしい愛称として、事務所の人達には"〜ちゃん"と呼ばれている。
｢あの、社長はいらっしゃいますか？｣
｢中にいるよ。今アポとるね。｣
秘書さんが内線で確認をしてくれた。
｢大丈夫みたい。｣
秘書さんに頭を下げ社長室の扉をノックした。
｢Aです。｣
｢どうぞー。｣
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作者名：ゆうなす
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/b115645c0f1/
作成日時：2022年9月29日 18時
