TYside ページ37
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彼女が僕達のレッスンを見学していくらしく、いつも以上に緊張する。
いつもなら身体が覚えてるから無意識に出てくるダンスも、彼女に情けない姿を見せたくなくて一つ一つの動作を先読みしながら動かす。
間違わないように、ただひたすらそのことだけを意識した。
｢きゅうけーい！｣
曲が終わると同時にジョンウがその場で倒れ込む。
その姿を横目に彼女の方へと振り向くと、ドヨンと楽しそうに話していた。
｢行ってきたら？｣
隣でまたユタにちょっかいをかけられる。
｢…んー、やっぱり今は。｣
｢そんなこと言ってるから、練習生時代の時に連絡先を交換出来んかったんやろ？｣
｢その話は今じゃない。｣
｢今言いますー。聞くチャンス逃したら、"また"後悔するで。｣
連絡先を交換できないまま会えなくなったから、こうして再会するのに２年も掛かったんだ。
自分でも分かってるし、きっかけは早めの方がいい。
でも今もまだ僕に好感を抱いてくれてるのか分からない。
｢僕にはもう、好きって感情は無いんじゃないかな…。｣
｢そんなん分からんやん。｣
｢でももし、聞いて断られたら恥ずかしい。｣
｢じゃ、なんや？Aちゃんがテヨンを好きかどうか分かってから連絡先聞くん？｣
｢…｣
黙り込んでしまった自分の背中を押し出すユタ。
｢そんなんやったら、いつまでも好きになって貰えんで。
ほら行くで！｣
僕の背中を力強く押しながら彼女に近づいて行く。
「なあなあ、連絡先交換せぇへん？」
「是非！」
そう言ってスマホを出し合い連絡先を交換している姿が目の前で行われてる。
僕に連絡先を聞けって言ったのはユタなのに、ユタが先に交換するのかよ。
そう不貞腐れていながら、ふとユタのスマホカバーが自分と同じ物である事に気づく。
好みが似てるからカバーも被ったのかと思っていると、
「名前が違う…。」
戸惑いだす彼女のスマホ画面を覗き込んだユタは満面の笑みでこう言った。
「あってるで！これテヨンのやもん。」
え？
えぇ!?
｢ユタ何してるの!?｣
慌ててユタの手からスマホを奪い取った。
いつの間に僕のポッケから取り出したんだよ！！
｢だってそうでもしやな、交換せぇへんやろ？｣
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作者名：ゆうなす
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/b115645c0f1/
作成日時：2022年9月29日 18時
