カーテンコール【SnowMan】

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毎年恒例の滝沢歌舞伎。
皆この舞台に出たくて、選ばれたくて、浮き足立つ。
それくらい皆の憧れの舞台。

集められたメンバーは演者として選ばれていて、もちろん、俺も選ばれていると思い込んでいた。


滝「有栖川は、他の仕事が入ってるから参加はしない」

『えっ…』


滝沢くんが俺の目をしっかり見て言う。
その瞬間SnowManも、他のジュニア達も騒ついた。


滝「ジャニーズを代表しての演者としては、舞台に上がらせられない。わかるよな、有栖川」

『…はい』




回りくどい言い方をしてるけど、滝沢くんは《俺が女》ってことを知ってるんだ。


知っててここに立たせてるんだ。


じゃぁ、俺の事呼ばなきゃいいじゃん、とか
なんで皆がいる前でわざわざ言うんだよ、とか

心の中のドス黒い物が溢れてきそうだった。


そこからスケジュールなどの説明があったが呪文の様に聞こえる言葉達は、耳に入ってくる事は無く
解散の言葉と共に、SnowManの皆が急いで滝沢くんに駆け寄っていく。
俺はその場から離れて、一人で部屋を出て行った。


深「滝沢くん、有栖川が参加しないってどういうことですか？！」

滝「さっきも言ったけど別の仕事」

岩「別の仕事が入ってたとしても有栖川なら両立できます！」

滝「お前らは有栖川の未来を潰すの？」

深「…そんなっ」

滝「有栖川は出さない。俺が決めた」


滝沢くんは部屋から出て行った。






……


目「アリっ！」

一人でスタジオから出て行った俺の手を引っ張る。

『…なに？』

目「お前大丈夫…」

『…大丈夫だよ』

目「大丈夫じゃねーだろ」

『うるさい！放っとけよ！！！』


腕を振り払おうとしたが、そのまま腕を強く引っ張られ、いつのまにか腕の中にいた。
めぐの匂いに包まれていて、怒りや悲しみよりも、恥ずかしくなってくる。


『ちょっ、何してんだよ』

目「アリが落ち着くまで離さない」

『落ち着いた…落ち着いたから離して…』

目「嫌」

『嫌って、子供じゃないんだから…』

目「何かあったら俺に頼ってよ」

『うん…怒鳴ってごめん』

目「…許す」

『で、離して』

目「もうちょっと」

『離せ』


全然離す気配が無いめぐに、頭突きを食らわし開放される。
さっきより、心が楽になった。


『めぐ、ありがとう！』お礼を言って、丁度スタジオから出てきたSnowManの皆の所に走って合流する。



『俺、仕事で参加出来ないみたいだけど、絶対見に行くから！』



笑顔で伝える事ができた。




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