カーテンコール【SnowMan】

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あの日から、朝は岩本くん、レッスン後は佐久間くんに教えてもらう時間が増えた。
基本のアクロはだいぶ体に馴染んできて、佐久間くんの補助がなくてもできるようになってきた。
最初はスパルタで凄い怒られてたけど、優しさからの厳しさだと感じる。アクロって命がけだもんね。


佐「そろそろ混ざって練習してみる？」

『え…いいんですか？』

佐「俺はいいと思うけど。あ、多分照もいいっていうと思うよ」

『やれるのであれば、やってみたいです！』

佐「問題は翔太かな…」


佐久間くんは少し考えるように小声で呟いた。


『…そうですよね、俺嫌われてるから…』


渡辺くんとは1日中同じレッスン室にいるのに、挨拶以外で目が合うことがない。
話し掛けるなオーラが凄くて、あの日以来ほぼ喋っていなかった。


佐「俺からも言ってみるから、気にすんな！」

にゃはは！っとくしゃっとした笑顔で、背中をバシバシ叩かれた。
思ったより力強くて地味に痛い…


佐「有栖川、この後暇？」

『はい、暇です』

佐「ご飯行こうよ、ラーメン！」

『はい！ぜひご一緒させてください！！』

佐「よし！急いで片付けするぞーーー！」


びゅーーん！と効果音をつけながら、モップを取りに行く佐久間くん。
俺も急いで雑巾を絞りに行き、モップの下に引いてフロア全体を掃除し始めた。
いつも一人でやってる作業だから、2人でやるとサクサク進むな。
なにより誰かと話しながらやる作業はあっという間で楽しかった。


佐「なんか楽しそう…？」

『え？』

佐「掃除好きなの？俺嫌いだよ〜」

『佐久間くんと一緒に出来るのが嬉しくて』


…言葉にした後、少し恥ずかしくなって顔を下に向けた。
やばい、耳まで真っ赤かも。


佐「何！！え？！可愛すぎる！！有栖川ってそんなキャラなの？！」


俺の顔を覗き込むようにして、佐久間くんがニヤニヤしたままからかってくる。

佐「顔赤ーーい！可愛い〜！！！」

『ちょっ、やめてください。赤くないです！早く掃除終わらせますよ！！！』

佐「はーーーーーい！」




その後もずっと「佐久間くんと掃除出来て嬉しい？」
「佐久間くんとご飯行けて嬉しい？」「佐久間くんと一緒で嬉しい？」って聞かれ続けて、言動には気をつけようって思ったのは内緒だ。



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