カーテンコール【SnowMan】

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『渡辺くん！！！！』


自販機の横にあるベンチに腰掛けている渡辺くんを見つけてすぐに声をかけた。
ちらっと目線は向けてくれていたが、反応もなくスルーされている。

『さっきは、すみませんでした！！！』

勢いよく頭を下げた。



渡「…もう辞めれば？」

『絶対に辞めません』

渡「…はぁ？」

『俺、まだまだ出来ない事が多いです。でも、ここで諦めたくないんです』


渡辺くんが、SnowManが、大切に守り続けてきたグループ。
後から入ってきた俺が、簡単に受け入れてもらえるなんて思ってもないけど。


『すぐにとは言えません。でも、絶対にSnowManの名前に傷は付けません。そのレベルまで上がって見せます』


『だから、少しだけ時間をください！！！』



頭を下げたまま、思っていることを伝える。
言葉だけじゃだめだ。




気持ちを結果で表さなきゃ。




渡「……勝手にしろよ」


手に持っていた空のペットボトルをゴミ箱に捨て、渡辺くんは席を立った。


え、

もう来るなとか言われると思ってたから
想像していた反応ではなく思わず頭を上げるが、目が合うことなくレッスン室に戻って行った。


これは、少しは認めてくれたんだろうか？


『ありがとうございます！！！！！』



もう一度深く頭を下げる。



そして急いで渡辺くんの後についてレッスン室に戻った。
　


…




結局その日のレッスンは、俺抜きで曲合わせをする事になり、俺は横で振り付けの確認をしながら練習に励んだ。




阿「有栖川、もう俺たち帰るけど」

『阿部くん、お疲れ様でした！！
俺、残って練習してから帰ります」

阿「無理しないようにね」

『はい！お疲れ様です 』



ゾロゾロとメンバー達が帰っていく。



ひとりぼっちになったスタジオで、携帯でフリを確認しがらまずは完璧にフリを覚える事を徹底した。
アクロバットをしようとしてタイミングがずれる事が多かったから、まずは基本の振り。

何回も確認しながら、映像を確認しなくても踊れるようになってきたところで、携帯を定点に置く。

そして自分の踊りを録画。

見返して、振りの確認…修正。





何度も同じことを繰り返していく。



まだまだ。こんなんじゃ口だけで終わってしまう。




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