6月のマーチ【エイジ】2

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仕事の打ち合わせが終わり、夕方ごろに家に帰ってきた。
プライベート用のケータイは、必要時以外電源を切る生活が続いている。
どこからかバレた私のラインのアカウント、インスタのDM、電話番号。あの日からケータイを開けば、誹謗中傷の通知は止まることなく続いていた。ケータイがケータイとして機能してないなんて笑っちゃうよね。


外に出れば、自意識過剰かもしれないけれども視線を感じることも多くなり、マスクをつけて生活している。


…芸能人気取りかよ、私。


クタクタになって、カバンを置きベットにダイブした。


洗濯物取り込まなきゃ。
動きたくないなぁ。


そんなどうでもいい事を考えながら、起き上がりカバンから取り出したパソコンを机に置く。
余計な事を考えないようにするには、仕事が一番だよね、やっぱり。



…………


カタカタと無我夢中でパソコンをたたき、今日分の目標だった仕事を終わらせパソコン閉じた。
肩バキバキだぁ〜


♪ピンポーン


両手を伸ばし、大きくため息をついたところで、インターフォンが静かな部屋に鳴り響き、思わずビクッとしてしまう。
時計を見ると23時を回っていた。

(こんな時間に…？)

少しだけ不安になり動けずにいると、もう一度インターフォンが部屋に鳴り響く。
流石にこの時間の来客はないだろうし、部屋を間違えているのだろうと、そのままスルーしようと飲み物を取りにキッチンに向かおうと立ち上がる。

ホットミルクティーでも作ろうかな、
冷蔵庫から牛乳を取り出し、同時にヤカンに火をかけて沸騰するのを待っていた。




ドンドン！ドンドン！


扉を叩く音が部屋に鳴り響いた。



え…！なに？！
まだ外に人いるの？！


あまりの驚きで身体が動かなくなり、不安がよぎる。
最近、身の回りで変なことか起きすぎているし、もしかしたら家がバレたのだろうか。
どうしよう…と考えていると、外から聞き覚えのある声が聞こえてきた。


「A！A！！いるんだろ？」


ドンドン！とドアを叩く音と共に私の名前を呼んでいるのは、






間違いなく
私が避けてきたエイジくんだ。





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