6月のマーチ【エイジ】2

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寝ようと思って布団に入ったはいいが、携帯の通知が鳴り止まない。


…今度はなに？


マナーモードに設定して携帯を開く。



数時間前に投稿した写真に、エイジ くんから「ごめん」のコメントがついていた。
それに加えて、エイジくんのファンの子達が反応しているようだった。

こんなことならコメント欄塞いでおけばよかったな








今日はもう疲れた…



携帯を握り締めながら、まぶたを閉じる。




…


静かな部屋にカチカチと時計の針の音が鳴り響いていて、まぶたを閉じてみても、こころがモヤモヤして眠ることが出来なかった。


あーーーもう！
ごめんってなんだろう。
私の方が勝手に距離を置いて、離れて、拒絶したのに。
なんでエイジくんが、謝ってるんだろう。

ファンの子達のコメントにも、
なんでエイジが謝るの？
謝るのはコイツ
早くいなくなれ
などのコメントが溢れかえっている。


本当にその通りだよね。私がいなかったらエイジくんに迷惑かけることはなかったのだから。



でもね、

エイジくんと過ごした日々が、
私にとっては本当に楽しくて幸せで、
心がギューッと締め付けられるような気持ちになって、









あぁ、そっか。





　



私、エイジ君のことか、自分が思っている以上に大好きになってたんだ。







こんな気持ち、今更気付くなんて。




　

もう遅いんだよ。







気持ちが溢れそうになるのを抑えて、抑えて、抑えて、
それでも、抑えられなくて、
自分の気持ちに気付いてしまったから、自分勝手だけれども涙が止まらなくなった。


泣き終わったら、この気持ちには蓋をして、
明日からは知らないふりをしよう。









次の日、


おわり。
と書いた投稿を消した。
コメント欄も封鎖した。









.

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