61 エイジside ページ11
え…?嘘だろ?
無情にも勢いよく締められた扉を呆然と見つめていた。
くそっ!
こんなことなら、扉が開いた瞬間に無理やりにでも隙間に足突っ込んでおけばよかった…!!
Aの部屋の扉を何回か叩くが、もう反応はない。
しばらく呆然と立ち尽くしていたが、このままいても近所迷惑になりかねない。
そう思い、やっとの思いで歩き出し、記憶はないが気づいたらアバハウスに戻っていた。
ガチャ
「…ただいま」
重たい足取りでリビングの扉を開ける。
ソファに寝転がっていたそらが、起き上がりソファに座りなおしていた。
「……おかえり」
「うん」
「どうだった?って聞くまでも無さそうだよね!」
空気を悪くしないようにか笑いながら話しかけてくる。
「…なんかさー、頑張ってください、応援してます。もう会いませんって一方的に拒否られた」
「え?!なんで?!」
「わかんねーよ!
でも多分Aのこと、知らないうちに沢山傷つけてたんだと思う」
「まぁ…俺たち、一般人とはまた違うからね」
「な。俺、なんか勘違いしてたわ。馬鹿みてぇ」
「これでまた一つ、大人になりましたね」
「うわ、うっざ!!!」
そらが馬鹿にしてきたお陰で、自然に笑ってしまう。重い空気もあっという間に軽くなった。
「…じゃぁ俺、編集の続きやるわ」
リビングの机に置きっぱなしになっていたパソコンを立ち上げ、やり残していた編集の続きを始める。
「ほどほどにな」とそらは自分の部屋に戻っていった。
多分、あいつは何も言わないけど、俺が飛び出して行ってから心配でリビングに残ってくれてたんだと思う。ありがとな、そら。
そのまま気合を入れ直し、気付いたら朝まで編集を続けていた。
一気に編集したお陰で、あと少しで完成しそうだ。
(今日には一本あげられそう)
カーテンを開けてコーヒーでも飲みながら残りも頑張ろうと、放置していたケータイを触る。
ツイッター、インスタ、次々にスクロールして見ていくが、5時間前に更新されたAの投稿が目に入った。
____________________________________
@designA
(どこかの歩道橋から撮った夜景の写真)
「 いいね!」46件
おわり。
_____________________________________
おわり。と意味深に書かれた夜景の写真。
俺のこと?って自意識過剰になる。
思わずケータイを握りしめて、
「ごめん」
と画面に打ち込んだ。
320人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
りん - 続き気になります…楽しみにしてます! (2020年12月7日 14時) (レス) id: 9136d89cd3 (このIDを非表示/違反報告)
ひな(プロフ) - 続き楽しみにしてます! (2020年6月24日 15時) (レス) id: 1f194d63ba (このIDを非表示/違反報告)
かお(プロフ) - ユウキさん» ありがとうございます!!とっても嬉しいです(;o;)これからもワクワクしていただけるように頑張ります!! (2019年5月26日 20時) (レス) id: ad4aaf0953 (このIDを非表示/違反報告)
ユウキ - 素晴らしいです。展開が最高にワクワクします! (2019年5月25日 7時) (レス) id: 3415d88ff2 (このIDを非表示/違反報告)
かお(プロフ) - かなとさん» すみません!気付かず失礼しました!ご指摘ありがとうございます。 (2019年5月22日 21時) (レス) id: ad4aaf0953 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:かお | 作成日時:2019年5月22日 21時