6月のマーチ【エイジ】2

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「……酔っ払い過ぎですよ！」

「そんな事ないよ」

「一回お水飲みましょう！」

「いやだぁ〜」


急いでエイジくんから離れようとすると、そのまま腰に手を回されてしまいがっつり抱きしめられてしまった。


「あれ？A顔真っ赤？」

「お酒のせいです！からかわないで！！」


私の顔を覗き込んで笑っている。
人の気持ちも知らないで！！
そのままエイジくんの唇が耳元に近づいてくる。




「好きだよ」




と小声で聞こえた気がした。


？！



勢いよく顔をあげてエイジくんの顔を見ても、彼は澄ました顔で「何？」って笑ってる。

聞き間違い…？



私もお酒酔ってるし、きっと聞き間違いだな。
破裂しそうな心臓を深呼吸して押さえつけることに必死だった。


「心配で来たのに…何なんですか。もぅ！」

「心配してくれたの？」

「凄い酔っ払ってると思って心配したのに！全然大丈夫じゃないですか」

「うん。元気〜！もりもりっ！」

「…ふふ。私、これ飲んだら帰りますね」


酔っ払ってるエイジくんは、いつもと雰囲気が違ってこれはこれで面白い。
ここに来てから色々あったけど、それを見れただけでも、来てよかったって思えてしまう。


「ねぇねぇ、Aちゃん、今度俺たちのグッツ作ってよ！」

そらちぃさんがお肉を頬張りながら、話しかけてきた。


「おい！そらっ！」

「え？えいちゃんまだ隠してんの？もう意味なくない？」

「そうだけど…」


私を抱きしめたまま会話が進んでいく。
恥ずかしくて死にそうだから、いい加減離して欲しいなぁとエイジくんの顔を見つめていると、

「その顔反則でしょ」

と言って腰に回していた腕を離してくれた。
そしてそのままお酒を取りに行ってしまう。

…？どうかしたのかな？


「グッツ作るんですか？」

そらちぃさんの話を戻そう。


「そうそう！Aちゃん、今ぁぃちゃんのグッツ作ってるよね？」

「よくご存知で」

「インスタフォローしてま〜す」

「え！言ってくださいよ！なんか恥ずかしい…」

「ストーリーとか必ず見てまーす」


変顔しながらピースするそらちぃさん。
顔整ってるのにギャップ凄いなぁ。

「こいつネットストーカーだから」

お酒を貰って戻ってきたエイジさんがそらちぃさんを指差して笑っている。


「言っとくけど、えいちゃんもAちゃんのインスタフォローしてるからね！」

「え！！！！」


エイジくんは、こめかみに拳を当て、てへ☆ってベロを出していた。可愛い。



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