38【JK】 ページ38
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JK「…何ですか、テヒョンイヒョン」
ミュージックビデオの撮影現場に置いてある椅子に、項垂れていると、髪の毛を後ろからワシャワシャ触られる
誰がやってるか分からないけど、こんな事をするのはヒョンだけだ
TH「次ジョングガのカットだってさ〜」
ほらどいたどいたー!って俺の尻を叩いて、座ろうとする
そんな気分じゃない。…でも、私情を仕事に持ち込むのはダメだって、ヌナにも言われたし
こんな時まで、しかも昨日振られた相手のことを考えるなんて、俺ってこんなに女々しくて未練がましい人間だったっけ
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精一杯の笑顔と、指示されたようにキメ顔をして、撮影終了
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溜息をつきながら、自分の名前が書かれたペットボトルを手に取ろうとすると、『おい』という声と同時に取ろうとしていたペットボトルが視界から消える
JK「…なんですか」
TH「なんかあったでしょ」
毎回思うけど、何でこう、ヒョンには全部お見通しなんだろう
JK「…振られました」
いざ、口に出して報告をすると辛い
あの時、俺の事を『嫌い』と言った彼女の顔が頭から離れない
なんだかんだ言って、俺に対して敬語を抜いたのは初めてだったし
TH「は?そんなわけないでしょ、なんでそうなんの」
JK「…迷惑だったみたいです、僕がヌナに会いに行ったりすることが。
嫌いって言われちゃいました、笑」
無理に笑いながら、ヒョンを見ると、頭上に?が沢山
TH「…え?はっ?え?いやいやいや、ちょっと待って」
誰に追われてるわけでもないのに、何故か死ぬほど焦ってるヒョン
そのまま携帯片手に、スタジオを駆け足で出ていった
待って、は俺のセリフなんですけど
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作者名:ましろ。 | 作成日時:2022年7月1日 19時