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2人きりという空間が、とても気まずくて

とりあえず話しかけてみる








「…電話、出れなくてごめんなさい」






JK「こちらこそ、忙しい時にかけてしまってすみません、」







ああ、どこまで優しいんだろう



掛け直さなかったことは、何も言わない

わたしが100悪いのに





JK「…ちょっと、凹みましたけど」




そう言って、少し笑みを浮かべる


この笑顔、大好きだなあ








『嫌われたのかと思いました』って小さく呟いた彼が、何だか子供みたいで、弱々しく見える




私の勝手な行動で、感情で、彼のことを苦しめていたことを今になって知る



本当は、声を聞きたかった、会いたかった。いつだってそう思っていた





でも、声を聞いてしまったら、顔を見てしまったら

抱いてはいけない気持ちが生まれてしまうと思ったから









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「…あの」




JK「?」

キョトンとした顔で、首を傾げる彼はとても可愛らしい




「…そう思うなら、電話かけてこないでください、ツアー中の時とか、そんなこと考えるの、アイドルとしてどうかと、思う……ので」




「ジョングクさんが、そんな顔してたら、…ファンの子達はどう思いますか。……ただの、一般人に嫌われたかどうかで、弱るなんて…」







言い切って、彼を見ると、




元々大きい目をもっと見開いて、驚いたような顔





JK「…そうですね、ダメダメですね。僕は」








無理して笑ってる、わかるんだ。










JK「…よしっ、燃えてきました。ありがとうございます」







勢いよく立ち上がって、支払いを済ませて、ドアの方へ歩いていく




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ふと、彼が座っていた席を見ると、サングラスがまだ置いてあって







「ぁ、待ってこれ!」








壊さないように、高そうなサングラスを持って彼の方へ駆け寄る



ありがとうございます、って受け取る彼に







「…応援、してます」






精一杯の言葉

私には、これしか言えないけど。





ハァ、っとため息が聞こえたと思えば、強く、優しく背中に腕が回っているのがわかる







JK「…へへっ、頑張ります」






一瞬の事だった。

気づけば、マスク越しでもわかるぐらい、笑顔の彼がドアを開けて





微かなベルの音だけが、小さな店内に響いていた

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作者名:ましろ。 | 作成日時:2022年7月1日 19時

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