【uszw】夕日が綺麗な意味を教えて (ページ9)

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手を繋ぐ - 2 ページ9

「機嫌よくなったでしょ？」
「なっ、なってないし！」
「へえ？じゃあ、こっちの方が良かった？」
「ひぃ……！」

　1度離された後、するりと指の間に入ってきた指に驚いている間にも繋いだ手は恋人繋ぎに直され体が火照る。誰かに見られてたらどうしようと内心でヒヤヒヤしながらそっと握り返せば柔らかな笑い声が降ってきた。

「まだ照れてるの？いい加減慣れたでしょ？」
「むっ……無理です……！」
「これよりすごいこともしてるのに？」
「ば、ばか！外で何言って、」
「おやおやぁ？Aちゃんは一体何を想像したのかなぁ？」

　明らかに馬鹿にした声色で煽られて更に体温が上がっていく。その後、もうどうにでもなれと半ばヤケになりながら話を振られても口を閉じていれば優人さんは私が機嫌を損ねたと思ったのか「怒った？」やら「食べたいって言ってたアイス家にあるよ？」とひたすら私の顔を覗き込んでくるので歩きづらく、私が折れるしかなかった。

「もう！わかったから、前見て！前！危ないでしょ！」
「だってAが無反応だから心配した。」
「それは優人さんが私の事からかうからでしょ？自業自得！もっと優しくしてくれてもいいのに……。」
「その分家で優しくするから大丈夫。飴と鞭が大事よ。」

　そういうことじゃない気がするんですが……とも言う気にはなれず、けれども家に着いたら本当に飴をプレゼントしてくれるのだろうか、いや、でも今も手を握ってもらえているのが既に飴では？と思考が混乱する。そして変に期待をしないよう苦し紛れに彼の手を強く握った。