勿論、描けますとも! - 3 ページ20
ばっさりと2人の意見を切り捨てればぎゃいぎゃいと抗議の声があがるがどうみたって可愛くはない。そう念を押せば「お前のだって可愛くねーよ!」とキヨから文句が飛んできた。それに対しマウスで書いているからだと言い訳を返す。
「ていうか、私は『可愛い』コックさんとは一言も言ってないもん!」
「それは……そうか。じゃあ、最初に可愛いって言い出したやつが悪いな!」
「『可愛いコックさん』って言った俺のせいみたいに言わないで貰っていいですかね?」
「ちなみに天赦ちゃんはどれが1番いいと思う?」
「ガッチさん。」
「即答かよ!」
あれをコックさんとは呼べないが芸術点は高くつけたい。私の中では正直よく分からないけど1番いいと思う。黄色と赤色の地球外生命体とも呼べなさそうなよく分からないやつはもう面白い以外の感想は持てなかった。本当に何も知らない結果だろうが意図して描いていたらある意味すごい。
「つかさ、天赦はどこでこんなん覚えてくんの?」
「普通にお母さんに教えてもらったけど……教わらなかった?」
「うん。」
「俺も全然知らんもん。男の子と女の子の違いなんかなあ?」
「どうだろうねえ。ちなみに顔まで書いて皿書くとカッパになるんだよ。」
「え、何それ。知らない。」
アヒルじゃないよ、カッパだよ。そう続くと言えば不服そうな声が4人からあがる。まあ、確かに頭の皿を書く歌ではなくて言葉でカッパと言い切っているから、それはどうなんだというところだろう。
「とりあえずお前らが分かってなかっただけだってことはこれで証明されたからな。」
「いや、そんなんおかしいやん!俺ら以外にも絶対わからん奴おるやろ!」
「ここにはいない!」
「ここにいなくても全国にはいるってぇ!!」
牛沢さんに意見を切り捨てられたレトさんの反撃にキヨも加わりさっきまでの騒がしさが戻ってくる。ガッチさんはそんなことは気にしていないようで1人でせっせと何かを書いていた。どうしてだろう。振り出しに戻った気がする。そう思いながらも眠気が限界に達した私は喧騒を子守唄にして目を閉じた。
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作者名:笹森 糺 | 作成日時:2020年7月18日 18時