おててつないで、離さない2【d!】【実シ兄者】

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昨日はなんやかんやあったが、今日は全く待ちに待ってない



「…お母さん、本当に体育祭行かないといけないの？」

「高校生活での行事は楽しいし、行きなさい」



体育祭だ



いや、本当にあれのどこが楽しいの？
てか学生は勉強が仕事なんだから受験勉強させろ
日焼けもするし、疲れるし、その疲れを癒す時間も確保できない



「頑張ってね」

「…ﾁｯ…行ってきます」

「ちょっと、舌打ち？！」



私を叱ろうとする母を置いて私は学校へと向かった
体育祭なんて行きたくないのに…
…ちょっとネカフェにでも行ってサボろっかな



「サボりとかさせないよ？」

「…ひとらん先輩」



いつの間にか後ろに居たひとらん先輩に肩を掴まれる
骨が砕けるのかってほどに痛い



「ほら、はやく行くよ」

「うぅ…いやだ」



体育祭とかこの世界の最悪イベントだ
無意味に汗を流すだけでなく、キャラの好感度アップ、ヒロインのクラス内の印象など、
ここでミスると私も璃音もめんどくさいことに…
しかも、この体育祭からワイテルズも運営も活発に動き出す
今までの2つのグループは私が勝手に接触してたようなもの
いや、好きで関わってるわけじゃないんだけど



そんな体育祭に好んで行きたいと思うか
ものすごくいやだ



「いままでたくさん練習したし、せっかくだから思い出残そ？ほら、今年度卒業する俺のためだと思って」

「………」

「あの…そんな露骨に嫌そうな顔しなくても…」



だっていやだもん
少し頬が膨らんでいたようで、頬をひとらん先輩に押され、潰される
口から空気が抜けていく



「面白い顔してたよ」

「…面白くないです」

「ふふ、まぁ今日くらいは頑張ってよ…ね？」



キラキラされた目でお願いされたら断りにくいなぁ…



「…今日だけですから」

「よし、じゃあ行こっか」



私はひとらん先輩に手を引っ張られ学校へ向かった



学校でそのときのひとらん先輩がいじられるのは少しあとのお話



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