歩む道。 〜With a lot of love〜

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よほど不思議そうな顔をしていたのか、
梨々花さんに


梨「キスマークついてますよ。」



と小さな声で言われて。



「…あっ！」


さ「相変わらずの独占欲。」



と笑うさくらさん。



「や…違うの！あのですね！

見えないとこにしてって頼んでるのに
いつの間にか私が確認できないとこにこういうことする…から、あ…。」



顔を見合わせてニヤニヤしてる二人。
あ、やってしまった…、と赤くなる頬。



さ「それくらい夢中になっちゃうってことでしょ。

ねぇ、りりかちゃん。」

梨「はい、さくらさん。」




恥ずかしくて何も言えない。

確かにそうだ、
いつもドロドロに溶かされて気づくと
体中にちりばめられてる跡。



梨「西島さん。
Aさんの前ではデレデレですもんね。」

「そう？」

梨「そうですよ。
昨日も新しいスタッフの子が絞られてましたよ。
空気が凍るくらい。」

「そうなんだ。」

梨「でもそうやって鍛えられて、
西島さんにみんな感謝するようになりますよね。」




たかの仕事に対する姿勢は
ストイックすぎるくらいで。
時に誤解を生むし敵を作ることもある。


梨「それに、
出来上がった作品を見ると何とも言えない達成感なんですよね。」

さ「ソロはわかんないけど、
グループでも妥協は絶対に許さなかったしね。

それでなんど大変な目にあったか…。
AAAはみんなそうだから、あのチームは最強になるのよね。」



でも、
こうしてわかってくれる人がたくさんいる。





さ「ところで、梨々花ちゃん。仕事どうするの？」


さくらさんが質問する。



梨「辞める方向で考えています。
この仕事は楽しいけど子育てには向かないですよね。
下も育ってきてるし、私の後を引き継いでくれそうな子もいますしね。


あ、ちなみに男の子ですよ。」


「そう、なんだ。」


ちょっとほっとしてしまった自分を
誤魔化すようにアイスティーのストローをくるくる回す。


一緒にいる時間が長いマネージャーという仕事。
やっぱり心配なんだ、私。



さ「実は…私も入籍、しようと思って。」


「え！！ほんとですか？おめでとうございます！！」



女子が三人集まれば、おしゃべりは止まらずあっという間に楽しい時間は過ぎていった。

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