41 side Nissy ページ41
「歩きやすい」
西「ん、いい感じ!Aがお揃いって言ってくれたおかげでいい買い物できたやん」
「ありがとう、たか」
西「こちらこそ」
「でもなんだかちょっと、照れくさいね」
まるで付き合いてたのカップルのような会話。
きっと、そう。
…例えば。
日高あたりに聞かれたら西島がお揃いとか言っちゃってんの、ってバシバシ背中叩きながら実彩子にそう言って、実彩子にウソやだ信じられない、千晃に報告しなきゃって言われた後。
秀太がま、いいんじゃないのってニヤニヤして俺の肩をたたいて、真司郎がいいやーん、どうせならキャップとかもお揃いでええんちゃう?って言う。
そんな中、恥ずかしそうに耳まで赤くなるAと、平静を保とうと頑張る俺を見抜いてげらげら笑いながら、でも嬉しそうにはしゃぐリーダー。
メンバーと離れて仕事をするようになって数年。
でもいつだって昨日も一緒にいたような感覚でその空気感を思い出せる。
「なんか、思い出し笑いですか?」
西「え?」
「なんな楽しそうって言うか、嬉しそうっていうか、そんな顔してる」
俺の顔を覗きこんだAがそう言うから、
「思い出し笑いっていうかさ…」
さっき思い浮かんだ情景を話して聞かせると、くすくすと笑いながらわかる気がするって頷く。
「たかは、やっぱりメンバーのみなさんといるときが一番リラックスして歌ってた気がする…あ、今がそうじゃないって意味じゃないんだけどね。絶対的安心感っていうか信頼感があるんだと思う」
西「そうねぇ、メンバーって関係性はどこまで行ってもメンバーなんだよね。友達とか、家族とかとはなんか違う。仲間っていうのも微妙に違って…。
今は一緒にいないけど、あいつらが俺にとって何かって聞かれたらやっぱりメンバーって言っちゃうよな」
「そっか…、そうだよね」
こういう話をすると、ほんの一瞬だけどAの目に少しだけ寂しそうな色が浮かぶことをだいぶ前から知ってる。その理由に今まで触れたことがないし、Aも言わない。
「…特別な絆、ですね」
西「え…?」
だから、ポツリとつぶやかれたその一言にちょっとびっくりした。
「今はみんなそれぞれの道で頑張ってて、でもきっと深いところで繋がれてるって確信できる、強くて特別な絆。
そこにはきっと、私の知らないたかがたくさんいるんだろうな、なんて…思っちゃう」
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(´・ω・`)(プロフ) - 大好きな人は。めちゃくちゃ素敵で何度も読み返してます!できたら、ショートのパスワード教えて欲しいです。 (10月29日 7時) (レス) id: e27e13d6a3 (このIDを非表示/違反報告)
ぽ - 大好きな人は。とてめ素敵なお話でした(^^)♡こちらの作品も1から全て読みたいです!パスワード教えて頂けると嬉しいです!! (2022年11月22日 1時) (レス) id: 7929bd4039 (このIDを非表示/違反報告)
eringi01030214(プロフ) - 先日読み終えたのでいまから見させて頂きたいと思ったらパスワードかかっていたので教えていただきたいです(;;) (2022年11月21日 3時) (レス) id: ea8392449b (このIDを非表示/違反報告)
りりり(プロフ) - 今から読ませて頂きます♪1から全て読みたいのでパスワード教えて頂きたいです!!! (2022年11月11日 9時) (レス) id: 6961cbc2a1 (このIDを非表示/違反報告)
eight888loooove(プロフ) - 大好きな人は。読ませて頂きました!ステキなお話で一気読みしてしまいました^ ^他の作品も読ませて頂きたいです!パスワード教えて頂きたいです。 (2022年11月5日 7時) (レス) id: 17095d27b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リリィ | 作成日時:2020年5月27日 7時