歩む道。 〜With a lot of love〜

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「…ん…っ、！」



喉がカサカサしていて咳き込みそうになって目を覚ました。
体はしっかりとたかに抱き込まれた状態で、目線を上にあげるとあどけない寝顔がそこにあった。

とくんとくんと規則的に響く心音と心地よい温かさになんとなくまた目を閉じて昨日の夜を思い起こす。




楽しい夜だった。

打ち上げと言いながらも、スタッフさんたち総出で結婚祝をしてくれた。
歌って踊って食べて飲んで、たくさん笑って、すごく幸せだと感じた。


そんな中でクリスと二人で話して「おめでとう、愛する人とともにある喜びを忘れずにね」と頭を撫でられた。
クリスは私達に起きた出来事をを知らないはず。
なのに、その言葉にはすごく重みがあってぐっと心にしみた。



たかといられることは当たり前じゃない。
よく、本当によくわかってる。




「ずっとこの奇跡に感謝しながら生きていきたいって思ってます」




そう答えると、クリスはクシャッと破顔して私を抱きしめてくれた。




ク「Aは、Nissyの永遠のプリンセスだよ」




私はプリンセスって柄じゃないけど、たかは私にとって永遠に魔法使いだ。
いつでも私に笑顔をくれる。

出逢えたことで、私の人生が大きく変わって、昔の私が想像できないくらい幸せだ。

でも、出逢えたのは両親がピアノをさせてくれてたおかげでもあるし、いいことも悪いことも含めてぜんぶ、無くてはならない私を作るピースだった。




なんて考えながら手を繋いで歩く。
なんだか当たり前に繋いだ手が嬉しくて、浮かれてはしゃいでしまった帰り道。





思ったことをそのまま伝えたら、たかはなぜか涙を流していて。
くしゃりと顔を歪めて笑いながら涙を流すたかが愛おしくてたまらなかった。



守り守られ
支え合って
労りあって




互いになくてはならない、唯一。





伝えたいことは他にもあったのに、抱きしめられたらもっともっと近くなりたくてたまらなくなった。

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