検索窓
今日:12 hit、昨日:38 hit、合計:234,991 hit

343 ページ43

東京ドーム…見に来てくれない、かな?



たからしくない弱気な声。



Aに、見てほしいんだ。


それは迷いのない声。


心からそう願ってくれてるのに
すぐに返事ができなかったのは
私の弱い心のせいだ。



私は今。




近所のピアノ教室のお手伝いをしながら
お店でも働かせてもらってる。
拓実さんとかなさんの新しい試みである
小さなレストランウェディング。
そのお手伝いとして、
ピアノを演奏させてもらうこともある。



穏やかな毎日の中で、
あの出来事を思い出すことも少なくなってるし、
あれからフラッシュバックだって一度もない。



もうそろそろ、
東京へ帰ることも考えられるかもねと
主治医の先生にも言われている。





たかに逢いたい。
たかが歌うところを見たい、聴きたい。
たかの音楽を感じたい。




なのに、
すぐに返事ができなかった。




ごめんね、たか。
東京はまだ私には遠いのかな?



眠れなくなってしまった私は
ただ外が明るくなっていくのを
ぼんやりと見ていた。




そして次の日。



実「Aちゃん!」



「えっ…実彩子さんっ!?」



お店のドアを開けて
私の姿を見るなり
ぎゅーっと抱きしめてくれたのは、
実彩子さん。


その後ろには與さん。



與「Aちゃん、元気やった?」



「二人とも、どうしたんですか?」



驚いている私の頭を
よしよし、と撫でる実彩子さん。



実「どうしたって、ランチしに来たのよ。」



語尾にハートマークでもつきそうな
笑顔で実彩子さんが言う。



與「俺は運転手やねん。」


実「実はもう一人、いるんだよ。」


千「Aちゃん、久しぶり。」


「千晃さん…。」



遅れて入ってきたのは
ママになったというのに相変わらずの
美しさと可愛らしさを共存させた千晃さんだった。


実「久しぶりにね、
千晃とご飯行こうって話になって、
やっぱりママはディナーよりランチらしくて。



なら、足伸ばして
Aちゃんとこ行こうかって。」



「そうだったんですね…。」



驚いて立ち尽くす私に
店の奥から出てきた拓実さんが言う。



拓実「Aちゃん、座ってもらったら?

もう、ランチタイム終わるし、
クローズにするからゆっくりしていってください。



Aちゃんも、今日はもういいから
みなさんと一緒にランチ食べな。」



拓実さんのその言葉にお礼を言って
私達は4人でテーブルに着いた。

344→←342 side Nissy



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (160 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
575人がお気に入り
設定タグ:AAA , 西島隆弘 , Nissy   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

リリィ(プロフ) - ふみさん» 今更お返事ごめんなさい!いつもありがとうございます!続き頑張ります! (2020年1月5日 20時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - AYさん» 今更感ありありのお返事でごめんなさい(泣)読んでくださりありがとうございます!お詫びに?更新頑張ります! (2020年1月5日 20時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
ふみ(プロフ) - めっちゃいいとこ!!早めに続編頼みます! (2019年11月25日 23時) (レス) id: 017350f460 (このIDを非表示/違反報告)
AY(プロフ) - 本当に、ほんっとうに主人公さんの可愛さにはかなわない。というかリリィさんにはかなわない!読むのが楽しみで頑張れます。いつもありがとうです〜 (2019年11月25日 20時) (レス) id: d7256c5ba1 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - Takatakaさん» 帰ってきちゃったー☆予想通り、ですかね笑 (2019年11月25日 17時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:リリィ | 作成日時:2019年7月11日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。