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341 side Nissy ページ41

本当にそうだろうか…。
本当に喜んでくれるだろうか…。


心の奥に仕舞い込んだ感情が
じわりじわりと湧き上がってくる。




「たか…?」



無言の俺に呼びかけるA。




本当は怖いんだ。




そう言ってしまいたい気持ちを
ぐっと堪える。



ドームの広さを知ってしまったからこそ、
俺一人でできるのかって不安で。


ドームと言う活字の効果。
求められることの大きさ。
プレッシャー。



Nissy、と言うアーティストの知名度は
それほど高いものじゃないことくらい
自分がよくわかってる。



ドームなんてできるのか、
と言われるかもしれない。


うまく言葉がでてこなくて、
黙ってしまった俺の耳に届くAの声。



「グループのドーム公演の時。


たかが言ったこと、
覚えてる?」


Aが一緒だったドーム公演。
あの京セラと東京ドーム…だよな。


「ドームって緊張するかって聞いた私に
たかはね。


始まっちゃえばドームでもアリーナでも、
ホールでも同じ。
そこに今いる人を楽しませたい、喜ばせたい。
それだけだって、答えたの。」




そう言われて、
そんな話をしたことを思い出す。




「それでも不安…なんだよね。

みんなの反応が怖い…?」



西「少しだけ、な。」



きっとここにAがいたら
大丈夫って抱きしめてくれただろう。
だけど、ここにAはいない。



「そばにいられなくて、ごめんね…。」




西「違うっ…そうじゃ、ない。
Aが謝ることなんてない。


ただ…。
ただ少しだけ。
Aの声が聞けたら頑張れるって思っただけ。」


そんな誤魔化しが
通じるわけないし、
Aがそばにいてくれたら
と思わないはずがない。




「そっか…。

大丈夫だよ。
たかにはたくさんの仲間がいるんだから
ひとりじゃないよ。


それに…。
そばにいないし、
抱きしめてあげることもできない私だけど、
たかが弱音を吐く唯一の場所でいるから。」



西「A…。」



Aの言葉は
いつもまっすぐだ。
心にすーっと溶けていく。



西「ありがとな。」




「うん。」




きっと、
Aは笑ってくれてる。
だから、俺も笑おう。



西「また明日、連絡してもいい?」



ちゃんと、
上手くいったことを報告したいから、
と付け加えた。

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設定タグ:AAA , 西島隆弘 , Nissy   
作品ジャンル:恋愛
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リリィ(プロフ) - ふみさん» 今更お返事ごめんなさい!いつもありがとうございます!続き頑張ります! (2020年1月5日 20時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - AYさん» 今更感ありありのお返事でごめんなさい(泣)読んでくださりありがとうございます!お詫びに?更新頑張ります! (2020年1月5日 20時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
ふみ(プロフ) - めっちゃいいとこ!!早めに続編頼みます! (2019年11月25日 23時) (レス) id: 017350f460 (このIDを非表示/違反報告)
AY(プロフ) - 本当に、ほんっとうに主人公さんの可愛さにはかなわない。というかリリィさんにはかなわない!読むのが楽しみで頑張れます。いつもありがとうです〜 (2019年11月25日 20時) (レス) id: d7256c5ba1 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - Takatakaさん» 帰ってきちゃったー☆予想通り、ですかね笑 (2019年11月25日 17時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リリィ | 作成日時:2019年7月11日 20時

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