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二人で過ごす時間はあっという間。


もう少しで、
たかはここを出る時間。


無理して仕事を調整してきてくれたって
言われないでもわかる。
きっと、どこかに影響がでて
東京へ戻ったら追い立てられるように
仕事をするんだろう。



仕事を一番に選ぶ西島さんでいい、
そんな西島さんが好き。



そんなことを言ってるくせに
なんとかして時間を作って、
私に逢いに来てくれたことが
すごく嬉しかった。



「ねぇ、たか?」



私の部屋のソファで
手を繋ぎながら座っていた私達。




「ありがとう。」



たかは繋いでいた手を解いて
その手で私の頭を引き寄せて
自分の肩に乗せる。



その手で頭を撫でながら言う。





西「何が?」


「逢いに来てくれたこと。」


西「俺がAに逢いたかったんだよ。」



「それでも嬉しかった。

だけど…。
無理しすぎないでね。」


西「無理するな、とは言わないんだな。」



ふふっと笑うたか。


「無理するのが、趣味じゃないの?」



冗談交じりに返せば、
そんな趣味、あったかなぁ…なんてちょっと
遠くを見る。



ぴったりと体を寄せ合ってる私達に
またすぐに訪れる沈黙。



どんな言葉で切り出そうか、
きっとお互い迷っていた。



西「なぁ、Aさ。

あの万年筆、もう使った?」


「ううん、まだだけど…。」


西「じゃあさ、
もう少しだけ使うの待っててくれない?」


「なんで?」


西「んー。今は秘密。」


「…わかった。」



そう答えると
正面から抱きしめられて。
もう行っちゃうんだな、と感じて
目の奥が熱くなる。


ぐっと唇を噛んで、
雫が溢れてしまわないように堪える。



笑顔でまたね、と言いたい。



西「もう行かないと。」



「うん。」


西「次はさ、Aが逢いに来てよ。」


「うん。」


西「Aの作ったご飯、食べたいな。」


「うん。」


西「Aのおかえり、聞きたいな。」


「うん。」



西「どこかで待ち合わせするのもいいな。」


「うん。」


西「Aと一緒にお風呂入りたい。」


「えっ…!」


西「次逢ったら…



抱いてもいい?」




「…うん。


私もたかと抱き合いたい。」



体を重ねることで、
伝わることもある。


言葉も、態度も
大切だけど。


他の誰にも見せない姿を
曝け出して感じる想いがある。

337→←335 side Nissy



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作品ジャンル:恋愛
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リリィ(プロフ) - ふみさん» 今更お返事ごめんなさい!いつもありがとうございます!続き頑張ります! (2020年1月5日 20時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - AYさん» 今更感ありありのお返事でごめんなさい(泣)読んでくださりありがとうございます!お詫びに?更新頑張ります! (2020年1月5日 20時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
ふみ(プロフ) - めっちゃいいとこ!!早めに続編頼みます! (2019年11月25日 23時) (レス) id: 017350f460 (このIDを非表示/違反報告)
AY(プロフ) - 本当に、ほんっとうに主人公さんの可愛さにはかなわない。というかリリィさんにはかなわない!読むのが楽しみで頑張れます。いつもありがとうです〜 (2019年11月25日 20時) (レス) id: d7256c5ba1 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - Takatakaさん» 帰ってきちゃったー☆予想通り、ですかね笑 (2019年11月25日 17時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リリィ | 作成日時:2019年7月11日 20時

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