歩む道。7

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目を覚ますと、
目の前にたかの顔。


私とたかの間には
握りあった二人の手があった。



久しぶりにぐっすり寝たおかげなのか
頭もすっきりしていて
熱も下がったみたい。


「単純だな、私。」


抱き寄せられるように、
腰に回されたもう片方の手も絡む足も。

その温度も匂いも、
たかがここにいることを表していて
ものすごく嬉しい。





忙しいはずなのに、
たぶん無理やり時間を開けて
私の為にここに来てくれたんだ。


今日だって…仕事があるはず。


慌てて時計を確認すると
朝の7時。


「たか？
ね、たか。何時から仕事？

時間大丈夫なの？」



ゆさゆさと肩をゆらすと、
んんっと目を開く。



西「…昼から、だからまだ平気。」



掠れた声でそう言って
また目を閉じて、
はっとしたようにまた目を開いた。



そうだった、Aのとこにいたんだ。
そう言って私の体をぎゅっと抱きしめた。



西「おはよ。
体はどう？熱さがったみたいやね。」


おでことおでこをくっつけて
目を細めて笑う。



熱が下がって頭の中がクリアになっている分、
距離が近くてドキドキする。




久しぶりのこの感じ。




西「熱ないのに、顔真っ赤。」




クスクス笑いながらそう指摘されると
恥ずかしくてますます頬に熱が上がる。



「もう、相変わらず意地悪。」



と腕の中からたかの顔をじっと睨む
精一杯の反抗。





西「あのさ。

それ。わざと？


…んなわけないか。」


ふぅと小さく息をついて
私のおでこにキスをした。



「たか？」



不意打ちのキスに
どくんと心臓が震える。



西「真っ赤な顔で、
目、うるうるさせて上目遣いに睨むなんてさ。



なんかしてくださいって
言ってるようなもんじゃん。」




たかの綺麗な瞳の中にちらりと浮かぶ色に
気づかないわけもない。






西「とりあえず。



キス、しよっか。」




頷く間もなく
重なる唇に体が反応する。




昨日のキスと
今日のキスは違う。
あっという間に口内をなぞりだす深いキスに
くぐもった声が漏れてしまう。



キスの合間に、A、と名前を呼ばれるだけで
ぞくぞくと背中を駆け上がる何か。



たかにしがみついて
夢中でキスに応える。



どのくらいキスをしていたか
わからない。



霞んでいく思考の中
ちゅっ、と言う音が頭に響いて
そっと目を開くと同時に
唇が離れた。




西「いつもかわいいけど、

なんだろ、今日はいつにも増して
かわいい。」

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