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空き地に見覚えのある車が目に入って、反射的に足を止めた。
「ほら、行くよ」
「行きません」
「行くんだってば」
「イヤですッ」
道の向こうには人が行き来してるのに、誰も私に気を止めることなく通り過ぎていく。
誰も助けてくれない。
必死にバックのなかのスマホを探すのに
焦る気持ちと恐怖でなかなか見つからない。
どうしようどうしよう！しか考えられなくて
そうこうしてるうちに車の前まで連れてこられてた。
「ほら、早く乗って」
「乗りません！」
こわい。こわい。こわい。
誰か助けて。
.
キリキリ締められる腕の痛みに もうダメだと諦めの気持ちが湧いてきて
ジワリ滲む涙を手の甲で拭うと
『ねえ、…嫌がってるみたいだけど？』
再び、背後からの声。
私はすがるような気持ちで振り向いた。
「そのまま そのコ連れてくつもりなら警察呼ばなきゃね」
………どうして、…どうしてここにいるの？
「は？ダレだよ？お前」
坂本さんに追いかけろって言われた？
それともただの帰り道？
「…先、輩」
普段からは想像できないほどの冷ややかな視線でまっすぐに私の隣の男を見つめる大野先輩
「男女のいざこざに口出すなよ」
男は先輩を威嚇し、さらに強く私の腕を握った。
「…いッ、」
あまりの痛さに顔をしかめると
「それ、男女のいざこざなの？A…？」
え……？
「…先輩？」
今、A…って。
そんなの、今まで一度だって。
「…っ、」
これだけのことが私の胸を痛くする。
先輩の行為に言動に、二度と勘違いしたらダメなのに。
「だから口出すなってッ」
「A、どうなの？」
きっと名前呼びは このオトコに親しい間柄だと思わせるため。
それだけの理由。ただそれだけの。
「違います。前のバイトで一緒だっただけです。
バイトも変えたのに どうして？
こんな、待ち伏せなんて…」
堪えてた涙がポロッと落ちた。
「って言ってるけど？」
「〜ッ話はこれからするとこなんだよ！邪魔すんなッ」
「話すことなんかない！放してください！
私 好きな人いるってちゃんと断りましたよね？」
「あ、あんなので納得なんかいかないだろ？！」
「そ、んな…」
なら、どう言えば分かってもらえたの？
邪険にしたり適当な返事したつもりはない。
付き合えません。ごめんなさい。ってきちんとお断りしたのに。
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yuihibiki(プロフ) - ちょこたろーさん» 人それぞれですよね。さまざまな出来事に対しての感じ方も受け取り方も、私の書いたあいさつ文に当てはめる情景も。このオハナシがどんなリハビリになってるのかは分かりませんが、完結までもう少しお付き合いくださいませ。 (2019年11月17日 21時) (
レス) id: ecfd2b01ee (このIDを非表示/違反報告)
ちょこたろー(プロフ) - いつも読ませてもらってます。挨拶にある今の気持ちが、うなずけすぎて思わずコメントさせてもらいます。飲み込めていないことが多すぎてやっぱり正月から止まってる。流れはね頭で受け入れているんだけど心はねもう容量オーバーで。だからこのお話が私のリハビリです。 (2019年11月14日 15時) (レス) id: c8a1445fc4 (このIDを非表示/違反報告)
yuihibiki(プロフ) - さわさん» この大野先輩は主人公ちゃんにとってなかなかキツイよなあーって思いながら書いてますけど、しばらく？ずっと？こんな感じでいくことになりそうです(^_^;) (2019年11月10日 9時) (レス) id: ecfd2b01ee (このIDを非表示/違反報告)
さわ(プロフ) - きっとニヤニヤしてしまう展開が待ってるんだろうけど、主人公ちゃんの心が苦しそうで悲しくなります。大野先輩お願いしますよ〜。 (2019年11月9日 16時) (レス) id: 759a393a86 (このIDを非表示/違反報告)
yuihibiki(プロフ) - nyurika513さん» ありがとうございます（笑） (2019年11月2日 0時) (レス) id: ecfd2b01ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：yuihibiki
| 作成日時：2019年9月23日 0時
