STPR社 メンバーサポート部！

第16話 ページ17

・


・


ななもりside.


以前もらった合鍵を使い戸を開ければ

甘い花の香りでいっぱいになった

ｷﾞｼ…ｯ

彼女をベッドにそっと降ろすと

二人の重みで少し軋み、

誘惑する様に脚が晒されていた

A｢んん…｣

彼女が少し動いた事で身体を強張らせた自分は

理性を失いかけていたのかもしれない

A｢なーくん…すて…ないで……っ｣

そう呟く彼女は

まだ目も朧で寝言を言っているようだ

ななもり｢そんなこと…するわけないだろ

一生、離さないから｣

額に小さな口づけをすれば

一定のリズムで寝息を立てて

すやすやと気持ちよさそうに眠っている

ななもり｢……ほんと、昔から変わんないな…

無防備すぎて…困る｣







夢主side.


甘い香りに誘われて

目を開けると見慣れた景色が広がっていた

強いて違うことと言えば仕事着ということと…

ななもり｢あ、Aおはよ｣

A｢な、なーくん…

どうしてここに…、いや何してるの…？｣

目の前にはエプロン姿の彼が立っていた

ななもり｢覚えてない？

A、昨日呑みながら寝ちゃったから

俺が家まで送ったの｣

A｢そ、れは…ありがとう…

えっ、泊まったの…？｣

ななもり｢だって…

今日だって仕事あるしAを起こさないと

遅刻しちゃうでしょ？｣

A｢…うぅ…ありがと…

じゃあ、私ちょっと遅く出るね…

一緒に行ったら何思われるかわかんないし…｣

ななもり｢もうメンバーには従兄弟だってバレたから

大丈夫｣

A｢えっ、言っちゃったの！！？｣

ななもり｢Aが言ったようなもんでしょ？

散々人のこと“なーくん”呼びしてた癖に…｣

や…

やってしまったぁぁぁ…

ななもり｢いいから早く、

パンケーキ焼いたから食べて？

一緒に行くよ｣

A｢………やだ｣

ななもり｢なんで…？

従兄弟だったら一緒に言ってもなんとも思われないよ｣

A｢っそれが不味いんだってばっ！｣

寝起きなのによくこんな大声が出たなってくらいの

声量で言い放てば

彼は心底意味がわからないと顔を顰める

A｢従兄弟だってバレたら…

みんなになんて思われるかわかんないじゃん…

やだ、今すぐ誤解だって言おう！｣

ななもり｢Aは何を心配してるの…？｣

A｢……っ…言いたくない｣

ななもり｢はぁぁ…

こんなにAの考えてることがわかんないの初めて

もういいよ

ご飯食べてちゃんと仕事来てね

この件はみんなに誤解だって言っとくから｣

第17話→←第15話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す