～恋するオタク～【永瀬廉】２ (ページ31)

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桜の花道

生ぬるい風が吹けば、

くるくると大量の花びらが舞い散る

永瀬『おはよ』

「永瀬。ふふ、おはよ」

ほろほろとこちらにやって来た花びらを

私は目で追った。

するとウェーブがかった黒髪頭にちょこんと乗って

それは、可愛らしい桜の髪飾りと化する。

「…ふふ」

永瀬『…？』

「付いてるよ。笑」

背の高い永瀬の頭に手を伸ばす。

「ほら。桜」

永瀬『……』

それを見せても、永瀬の視線は落ちぬまま。

じっと見つめられる混じり気のない瞳に

私は息をのんだ。

綺麗に縁取られた永瀬の唇は、

ゆっくりと開き

永瀬『お前も、…付いてる…』

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細長い指が、私の頬に一瞬触れて

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髙橋『A～！！れぇーーん！！おっはよぉー！』

永瀬『…っ！！…』

「…っ！…か、海人！、…おはよ！」

髙橋『てか、クラス替え超緊張すんだけどぉ～！』

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去年は1人で歩いたこの道を

今年は大事な仲間と並んで歩く。

いつの間にか着慣れた制服も、

履き崩したローファーも、

永瀬『クラス替え？』

髙橋『そぉ。また3人一緒がいいじゃん』

永瀬『んー、俺は別に』

海人と永瀬と3人で歩くのも、

「…私は、…また一緒がいいな」

永瀬『っ、……』

髙橋『……ふふ、…』

当たり前になって、それは刹那の如く去る。

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だから今しか出来ない事、

今しか味わえない青春を、

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？「…最近、廉達さぁ、付き合い悪くね？」

？「あの子とよく連んでるよね」

？「…廉くん狙ってたんだけどなぁー私。笑」

？「…ッチ。…気に食わねぇ。…廉の奴……」

いつか、

後悔しないように＿＿

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