～恋するオタク～【永瀬廉】２ (ページ19)

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kaito side…

あれから数日が経った

という事は、もうすぐ年が明ける。

小さな恋をして、

大きく傷ついた彼女。

浮かれていたとはいえ、

少なからず気持ちは本物であっただろう。

屈辱、恐怖、悲しみを味わって

彼女は数日一人で泣いたという。

悪い意味で忘れられないクリスマス。

きっと今も、彼女の傷は癒えずに…

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「カウントダウン！？え、したいしたい！！」

永瀬『んな如月に頼んどくわ。お前ピザでいい？』

「ピザ！？え、なにそれ！！」

永瀬『ピザ知らんのお前。』

「じゃなくて！！ピザも食べられるの！？」

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『……』

傷、癒えんの早ぇーー…

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KC倶楽部 in happy(オタク研究部)は、

冬休みであろうと関係ない。

活動場所が学校ではなく廉の家に変わっただけ。

今日のテーマは “カウントダウンパーティー”

岸優太が出る歌番組を観て楽しみながら

ピザやお寿司なんかも頼んでワイワイするんだとか。

そしてこれが意外にも、

提案した人が廉だということ。

「じゃあー、私はお菓子持ってくるね！」

永瀬『海人、お前ジュース担当な。』

『…いや、一番重いやつ』

張り切っちゃって。

ずいぶんと楽しそうですねぇー、廉さん。

永瀬『朝は4時起床でぇ、初日の出見にいくやろぉ？

んで神社行ってぇ、そのあとはぁ＿＿』

俺は知っている。

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「ふふ、みんなでお泊まりとかワクワクするね！」

永瀬『そぉ？俺はぁー、別になんでもええねんけど』

『…ぶっ、……』

数日前から廉が

お泊まり計画を入念に練っていた事。

俺はちゃーーんと知っている。

「初日の出も私見たことないんだよね」

永瀬『俺もなんよ、実は。』

「ふふ、…きっと綺麗なんだろうなぁ～。」

永瀬『……な。』

Aが深く落ち込まないように

Aが考えこまないように

でも慰め方は分からないから

とりあえず廉は、Aの側に居ようとした。

特に優しくするわけでも

冷たくするわけでもない。

ただ、

触れるか触れないかの距離で

Aの横顔を見つめる廉の瞳は

日に日に熱を足していた。

「なに？永瀬。」

永瀬『っ…は？なにが。』

「いや、見てたから」

永瀬『見てへん。』

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廉が素直になれる日が

いつか訪れるといいな。

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