～恋するオタク～【永瀬廉】２ (ページ14)

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kaito side…

海人、今日暇やろ？＿＿

今年のクリスマスは悲しい事に予定が真っ白。

だから廉の雑過ぎる誘いに俺は仕方なく乗った。

で、待ち合わせた場所へ向かうと

明らかに不審な男が俺を待っていて

『…なに。その格好』

永瀬『身バレ防止』

『誰から身を守ってんの？』

永瀬『ええから。海人もこれ付けて、あ！！っ…』

一方的に派手なサングラスと帽子を渡され

訳も分からずそれを受け取ると

廉は急に何かを追いかけるみたいに

こそこそと歩き始めた。

辿り着いた場所は

男2人だと変な勘違いをされてしまいそうな程

良い雰囲気が漂うカフェレストラン。

『じゃー、俺はオムライス』

永瀬『アホ。なに飯食おうとしてんねん』

『…は、え？』

永瀬『すんません、アイスコーヒー2つで』

勝手に注文までされて

そろそろ俺も怒るよ、と口を開きかけた時

ずっと気になっていた廉の視線の先

ようやく気付いた。

『…Aっ！！』

永瀬『ばっ！お前声でかいねん、聞こえるやろ！』

『…いや笑。待ってなにこれ』

永瀬『応援やん。応援。あいつ初心者やから』

Aと、おそらく亮太君って人。

仲睦まじい2人を廉は複雑な表情で見つめながらも

あくまで “ 陰で応援 ” をしてあげてると言う。

『なんか犯罪の匂いすんだけど』

永瀬『…ちょ、聞こえへん。黙って海人』

『はいはい……ねぇ。もぅオムライス食べていい？』

永瀬『…あいつ、…ほんま服のセンスないよな笑』

『……』

いよいよ話も噛み合わなくなってきたので

俺は店員さんを呼び、オムライスを頼んだ。

わ、…グリンピース入ってんじゃん…最悪。

一方で廉は

アイスコーヒーを片手に持ち

ストローを咥えたまま

一瞬たりとも2人から目を離さなかった。

ただ眺めているだけの廉は

心の底からカッコ悪いと思う。

でも、なんでだろう。

永瀬『え、ちょ。…あいつらどっか行く！…』

いろんなものと葛藤する廉の険しい表情は

やっぱり見ていて惚れ惚れするものがあった。

永瀬『…海人行くで、…ってお前なに食ってんねん』

『もぉ尾行飽きた～。廉一人で行きなよ』

永瀬『……』

廉、頑張れ。

俺はオムライス食いながら見守っててやるからさ

『て、ちょっえぇ！？』

永瀬『えーから早よ来い』

もぉ…カッコよく決めさせてよ～

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