ラブ・シチュエーション☆Snow Man3B

Next stage of Case3-1 ページ48

会えない期間があったからこそ気づいた、好きという気持ち。



その気持ちを勢いに任せて伝えれば、実は同じ思いを持っていたんだ。






卒業式から1か月後、俺は大学生になった。



Aとは同じ大学に入った。学部は違うけど、会える時には一緒に通学したり、放課後課題をしたりして高校生と変わらない距離感でいる。



でもそれが今は問題なんだ。付き合ってる感がないことが。



あれからというもの、俺は勇気が出なくて抱きしめる以上のことができていない。・・キス、とかさ。



付き合ってるってそういうこともするだろ？だけどいつやるとか、分かんないし。



同じ学部でなぜか友達になった、ガチのアニメオタクに相談してみれば、

「雰囲気ってあるじゃん。・・目が合った時とか、ふいに近づいた時とか？あとは〜、キスしたいって思ったらすればいいんじゃね？まぁこれは全部アニメで得た知見だけど(笑)頑張れよ青年！」

と肩を強めに叩かれながらドヤ顔で言われた。



雰囲気ってどうやって作るもん？キスしたいときって・・。



『・・しょ・・翔太？』

「え？」

『さっきから呼んでたんだけど。何ボーっとしてんの？』



そうだ。俺は今、Aの部屋にお邪魔して一緒に課題をしているところだった。



「な、なんでもない！」

『そう？全然進んでなさそうだったから、悩んでるのかと思った』



確かに悩んではいるけどさ。キスのタイミングについてだけど。




ていうか、Aは今まで付き合ったことがあるんだろうか？俺は中学の頃からAを知ってるけど、そんな話は聞いたことがない。



・・聞いたことがないだけで、実は誰かと付き合ったことがあったりして？



「・・・A？」

『何？』

「今まで誰かと付き合ったことある？」

『え？(笑)なんでそんな話、』

「気になったから。俺急に気になるタイプだからさ」


『・・・笑わない？』


「そりゃもちろん」


『・・・ない。翔太が初めてだよ？』




・・・なんか、ドキッとした。俺が、初めての相手になるのか。



『ねぇ、今笑ったでしょ？』

「違ぇよ。気ぃ抜けただけで・・・嬉しくて」

『嬉しい？』

「そう、だってAの初めてをもらえるわけじゃん？」

『いや、初めてって、』



俺、おかしなこと言った？Aが急に照れだした。


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