10「卒業式」 ページ40
今日は高校3年間を終える卒業式。
コサージュを付けた卒業生たちは晴れやかな顔をして卒業証書を受け取る。
最後の校歌斉唱をして、涙を流す生徒もいた。
そんな中俺は、修了したという嬉しい気持ちと、Aとこうやって学生生活を一緒に過ごせなくなってしまうという寂しさで複雑な気持ちを抱えていた。
晴れた空の下、各々が卒業証書を手に写真撮影をする。
俺も何人かの友達と撮りあったり、あまり話したことのない女子の団体と撮ったりもした。
『翔太！一緒に撮らない？』
たくさんの友達と写真を撮ってきたAの顔は晴れやかだった。
「しょうがねぇな」
素直じゃない俺はしぶしぶといった感じで対応したけど、内心はとても嬉しかった。
友達「おふたりさん、俺撮るよ〜」
『いいの！？』
友達「はい、並んで〜」
ふたりで並んだ距離は少し空いていた。その距離をどうにか埋めたくて、シャッターが下りる前にAの肩を抱き寄せた。
たぶんAはちょっと驚いてた。だけど俺は平然を装って友達にありがとうって言葉を交わした。
「一応自撮りでも撮ろっか」
Aと並んでインカメラで構えて撮ってみた。出来栄えを見たAはフッと笑った。
『ねぇ下手(笑)』
「だって難しいじゃん」
『ちょい貸してみ？』
Aは俺のスマホを片手に器用に操作していた。写真アプリのフィルター？も付けて、いつもより画像がきれいになった。
自撮りだと画面に収まるようにするから自然と距離が近くなる。Aは俺より背が低いから、若干腕をプルプルさせながらも何枚か撮った。
「おぉ、素晴らしい出来」
『現役JKだもん』
「今日で終わるけどな(笑)」
そう自分で言って、現実の寂しさが戻ってきた。
『そっか、今日で終わっちゃうんだ・・。楽しかったなぁ高校生活』
「俺も。振り返ってみればめっちゃ楽しかったかも」
そう思えるのは部活を頑張った毎日があって、それが今後に活かせるからかも。それに、やっぱりAがいたからっていうのも大きい。
「大学行ったら、あんまり会えなくなるかもな」
『そうだね・・・』
当たり前のようにそこにいたAと、もうこうやって親しく話すこともなくなるかも。
俺は最近貪欲になって、これからもAと一緒にいたいと思ってきた。
「俺、Aとこれからも一緒にいたい・・かも」
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みあ(プロフ) - スノ姫さん» スノ姫さん。コメントありがとうございます。素敵なリクエストです！参考にさせていただきます。 (2021年10月7日 0時) (
レス) id: f3c1546d7f (このIDを非表示/違反報告)
スノ姫 - アラフォーだけど、付き合ってた彼氏に浮気され、別れた所で街をふらついて歩いてる所に男友達の深澤君と会い恋人になったと言うシチュエーションをお願いします。 (2021年9月26日 4時) (レス) @page1 id: 61c754dd4c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みあ | 作成日時：2021年9月25日 14時
