7「久しぶりの」 ページ37
それから月日は経っていく。
教科書の内容は減っていき、受験対策中心の授業になっていった。
俺は相変わらず部活に顔を出してバスケして、Aは勉強した。Aは冬期講習だけ塾に通い出したらしく、一緒に帰る機会が少なくなっていった。
冬休みになっても気持ちは緩ませられない。
クリスマスだって浮かれてるのは世間とテレビだけであって、俺ら受験生には誘惑でしかなかった。
受験生ってこんなにも肩見狭いんだ、なんて思いながら時を過ごしたら年はいつの間にか明けた。
・
お正月、元日は祖父母の家で親戚たちと過ごしたから忙しかったけど、2日の今日はイベントは何もなかった。
そういえば初詣、まだ行ってない。家族は受験生の俺を差し置いて福袋を買いに行ってるし、俺一人。
A、何してるかな。まぁ勉強だろうけど。もし、行けたら・・そう思って電話した。
『もしもし、翔太？』
「A、急にごめん。勉強中だと思うんだけど、ちょっと俺に時間くれない？」
『なに？どっか行くの？』
「初詣、一緒に行きたいなって」
『初詣・・・そうだ、行ってない私。そんなにお正月らしいことしてないや(笑)行きたいな』
「じゃあ行こ。いつものとこで待ってるからさ」
『うん、じゃあまた』
久しぶりにAの声を聞いて、嬉しくて胸が高鳴った気がした。
・
駅前での待ち合わせ。よく晴れてるけど、冷たい空気が突き刺さるようだった。
『翔太、お待たせ！』
「悪ぃな。付き合わせて」
『ううん、したかったもん！・・そうだ、明けましておめでとう！』
「あ、おめでとう(笑)」
冬休みに入ってから全然会ってなかった。夏休みいっぱいまでは部活で毎日のように顔を合わせていたから、こんなに会わないっていうのは本当に久しぶりで、どう話していいか分からなかった。
『なんか、こんなに会わないのが珍しくてちょっと戸惑ってる(笑)』
「え、それ俺も思ってた！」
『ほんと？』
「うん、会いたいなって思ってたから」
『え？』
「お前と会ってないと調子狂っちゃうみたいでさ、俺。今までそれが普通だったじゃん？」
『あぁ、まぁうん、そだね』
俺の言葉に、目を泳がせて少し頬を赤くしたA。
俺、変なこと言ったかな？
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みあ(プロフ) - スノ姫さん» スノ姫さん。コメントありがとうございます。素敵なリクエストです！参考にさせていただきます。 (2021年10月7日 0時) (
レス) id: f3c1546d7f (このIDを非表示/違反報告)
スノ姫 - アラフォーだけど、付き合ってた彼氏に浮気され、別れた所で街をふらついて歩いてる所に男友達の深澤君と会い恋人になったと言うシチュエーションをお願いします。 (2021年9月26日 4時) (レス) @page1 id: 61c754dd4c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みあ | 作成日時：2021年9月25日 14時
