ラブ・シチュエーション☆Snow Man3B

4「朝練」 ページ34

昨日、明日は朝練行くから！と言ったAは、まだ来ない。




まぁ今日はちょっと俺が早く来すぎたんだけど。目が覚めてしまって学校に来たのはいいけど、今は眠い。




しばらくして閉めていた体育館のドアをガラッと開けたのは、俺が待っていたA。




『っ！！今日翔太来るの早くない？嫌がらせ？？』


「ちげーよ(笑)ただ目が覚めちゃって早めに来ただけ」


『珍しっ！』




そう言ってこちらまで駆けてきたAは、そのまま俺の手にあったボールを奪い取り、シュートを放った。



そのボールは綺麗な軌道を通ったけど、ゴールにはじかれて虚しく落ちた。



『結構狙ったんだけどなぁ・・やらないと鈍るね』



ステージに背負っていた鞄を置いて隣に座った。



「3本勝負、する？」



動きたそうなAを察して提案すれば、ステージからぴょんっと降りて上着を脱いだA。




久しぶりにAとバスケをした。ボールを奪い、奪われの攻防戦。マネージャーをやっていたから選手だった俺と比べればやっていない時期は長かったのに、それでも動きは俊敏。




俺に比べて背は小さいから、低い位置でくぐるように俺の隙をついてくる。けど俺も、盾となってAにシュートをさせまいと奮闘して。結局3-2で俺の勝ち。




『急に動いたから明日筋肉痛になっちゃうな〜(笑)』



そんなことを言って床に倒れこみながらも、楽しそうにキラキラした笑顔を浮かべたAに、俺はちょっとキュンとした。




「大丈夫かよ(笑)」


いまだ息を切らしているAを起き上がらせるために手を差し出した。


『ありがと！』



Aの小さな手が俺の手を握って、ぐんっと引っ張り上げたら立ち上がった。
その瞬間ぐっと距離が近くなって、お互いの目が合う。



『・・・なに？』

「あ、いやなんでも・・」



少し動いたらキスできそうな距離になってドキドキした。




そのあと手は離れてしまったけど、ひんやりしたAの手の感触は残っていた。


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