７太刀目:政府♯ ページ9
『西の都』。
数百年前からそう呼ばれ、栄えていた地。
京都。
その中心部に、それはあった。
周りの建物とは比べものにならない程…大きく、煌びやかな日本屋敷を模して作られた建物…
現在、日本の裏を全てを取り仕切るとされる組織『時の政府』…その本部である。
香澄「…水樹、怪我はしてないな？」
水樹「…あぁ。」
そこへ…香澄と長義、そして…香澄に説得され、政府の役員への攻撃をやめた水樹は突然連れてこられた。
『政府からの要請がある』、と。
政府の長である者が指定した広間で待つように言われ…数十分後。
？「お待たせして申し訳ありません…！」
そう、若々しい声が響き…
香澄や水樹とそう年の変わらないであろう青年が、随分と年を重ねているらしい老人を2人連れて急いだように早足で現れた。
？「私は凛。刀剣男士様の御前ですので、失礼ながら真名は名乗れませんが…政府の長をしております。」
凛「本日は遠路はるばる、この京の街へようこそお出で下さいました。」
どうやら、その青年…凛が政府の長であるらしい。
随分とイメージと違っている為…香澄も水樹も少しばかり驚いたものの…
ここへ来る時、随分と強引に連れてこられた為…警戒し、その丁寧な挨拶にも黙り込んだままでいる。
そんな2人の心中を、瞬時に察したのだろう。
凛「…まずは、謝罪をさせて下さい。お連れする際、私の部下が無礼を働き誠に申し訳ありませんでした…！」
上に立つ者らしからぬ態度で頭を下げ…
凛「半月前に亡くなった父…先代長の代から働いている者たちで…どうも気が急いでしまうきらいがあるのです。後程、私の方からも叱りつけておきますので…どうかお許しください。」
年相応の困ったような微笑みを見せて、謝罪した。
そんな様子から…凛という男の本質を見たらしい。
香澄「お構いなく…政府の長殿。我が友にも、長義にも怪我はありません。俺は気にしていませんよ。お気遣い、痛み入ります。」
代替わりをしたばかりで、明らかに四苦八苦しているという様子の凛にはっきりと気にするなとそう告げた。
凛「ありがとうございます。貴殿にはご迷惑しかお掛けしていないというのに…。」
そんな香澄の態度に、凛は安心したように礼を言うと…
凛「では、単刀直入で申し訳ありませんが…貴殿をここにお招きした理由についてお話しさせて頂きます。」
それから間もなくして、本題に入るべく前置きを述べた。
遂に、香澄が呼ばれた訳が判明するらしい。
水樹「…。」
香澄の隣に黙って控えている水樹には、もうわかっているらしかったが。
続く (更新停止中)
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