6太刀目:昔のこと♭ ページ8
「お父さん、今度はいつ帰ってくるの?」
今から、十年ほど前…
「...悪いな。今度のお盆には帰れるようにするよ」
1人、馬鹿な男がいた。
大した儲けにもならない、仕事ばかりをしてまともに家にも帰って来ず…
「そっ...か、がんばってね」
一人息子や、嫁を心配させ…泣かせてばかりいた…
「あぁ...お父さんがいない間、お母さんを頼むぞ。水樹」
守れもしない約束ばかりをする…愚かな男が。
ーーーーー
大学内... カフェテリア 水樹side
水樹「...夢か」
やっぱりあの刀剣男士が部屋にいるせいだろうな...だからあんな古い記憶が甦るんだ
もう察しているだろうが...俺の父親は審神者だった
だが時の政府のバカな老害の策略に嵌まり、本丸を乗っ取られ、大半の刀剣男士に裏切られた親父は...自分を信じて残った刀剣男士も、帰りを待っていた家族も捨てて、自ら命を絶った
...バカな父親だ、おかげで母さんがどれだけ泣いたかわからない。まぁ...人のことを言える道理じゃないのはわかっているが
水樹「...レポート、は終わってるか...帰るか」
あいつがいるせいで香澄とは揉めるし昔のことを思い出すし本当にここ最近ロクな目に会わない...だからこんなところでレポートをやることにしたんだ
「あっ茅ヶ崎!お前ここにいたのか!」
水樹「?...どうかしたのか」
学生会館から出たところで俺と香澄の共通の友人である高橋が焦った様子で俺に駆け寄ってきた
高橋「さっき寮の方に黒い服着たやつらが何人か入ってったんだよ!そいつら寮母のおばちゃんにお前らの部屋番号聞き出してて...っておい!茅ヶ崎!?」
言葉を最後まで聞かずに駆け出した。そいつらが誰かも、なにが目的なのかもすぐにわかった
二度と俺から、なにかを奪っていこうとしてんじゃねぇよ...!!
長義「やめろ!俺だけを連れ戻せばいいだろ!!」
寮へとたどり着いたときに見た光景は、黒服連中と香澄の間に入って押し問答をする長義の姿で
それも意に介さずに香澄へと手を伸ばそうとする黒服を見た瞬間、目の前は真っ赤に染まり
気づけばそいつめがけて飛び蹴りを叩き込んでいた
香澄「水樹!?」
水樹「こいつに触ってんじゃねぇ!殺すぞ!!」
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