1太刀目:彼らの日常♭ ページ3
某県立大学... Noside
♪〜♪〜♪〜
授業の終了を告げる鐘が鳴り、多くの学生が講義棟から出て昼食のために学生会館に向かったり、この後になにも授業のない生徒は帰ったり、バイトに向かったりしていた
そんな中、中庭で一人寝転ぶヘッドフォンを身につけた黒い青年に近づく青い青年がいた
「水樹、お待たせ」
水樹と呼ばれた黒い青年はゆっくりと起き上がってヘッドフォンを外すと青い青年をじっと見た
水樹「...べつに、待ってない。この後授業はあるのか、香澄」
香澄と呼ばれた青い青年はその言葉に柔らかな微笑みを浮かべながら、優しく水樹の腕を引っ張って立ち上がらせた
香澄「あぁ、一コマだけな。まぁ…一度くらい休んでも問題ない。これまで皆勤だったからな。」
そのまま腕を引きながら大学の正門へ向かう香澄を、軽くため息をついてジト目で水樹は見ていた
水樹「...地元一の優等生が、大学に来て緩みまくったな」
香澄「水樹だって地元一のヤンキーだったのが真面目になったじゃないか」
香澄の言葉に今度はわざと深くため息をついた水樹は自分も午後に一コマあった授業に参加することを諦めた
水樹「...なにが目的だ?」
香澄「さすが水樹だな。近くに美味い洋食屋ができたらしい。そこに行こう」
足取り軽やかに大学を出ていくその二人の姿は、一種の名物になっていることを二人は知らない
ーーーーー
夕方...
香澄「ふぅ…少し遅くなったな。久しぶりに随分と遊んだ。…明日の文学って課題提出だったか?」
水樹「...その課題なら来週だ」
買い物袋を下げ、大学の寮へと二人は帰っていた
地元が同じである親友二人は、寮でも同じ部屋のルームメイトでもあった
香澄「水樹、今日の夕飯は何にするんだ?」
水樹「...豚キムチ炒め。あとわかめスープにもやしのナムル」
香澄「中華か。楽しみだ」
.....このときの二人は思ってもいなかった。卒業するまであと二年と少し、それまではずっと続くと思っていた日常が
香澄「...あれ?水樹、あそこに誰か倒れてないか?」
水樹「はぁ...?」
ーーー目の前に倒れる一人の男を助けたことによって、終わりを迎えることに
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