兄弟の定義 ページ49
それから私達を混乱の渦に放り込んだ張本人は、放課後にこの教室で強さを証明するとだけ言い残し、自ら開けた穴からまた外へと出て行った。
その瞬間に、殺せんせーは皆から質問攻めにあう。
生まれも育ちも一人っ子らしいが、そもそもこの超生物に親とかいるのだろうか。
そうして兄弟とは真実なのか、それとも先生を動揺させるための作戦なのかは分からないまま、刻々と時間は過ぎていく。
荷物を持って戻ってきたイトナは現在、物凄い量のお菓子を食べていた。
銀さんもここまで甘党ではないだろう。パフェだったら別かもしれないが。
弁当を頬張りながらそう考えていたら、生徒のいる前にも関わらず堂々とグラビアを読み始める殺せんせーが目につき、思わずため息がこぼれる。
ふとまたイトナへと視線を戻した時、危うく口に入れていた食べ物が出る所だった。
そう。イトナは先生と同じ物を堂々と、しかも同じページを読んでいたのだ。
……巨乳好きまで同じか…。
その光景に驚きよりも呆れが勝り、またもため息がこぼれた。
｢もし本当に兄弟だったとして…でも何で殺せんせーはわかってないの？｣
｢うーん、きっとこうよ。｣
そう言って不破さんが話し始めた内容は、まさに少年漫画にありそうな展開だった。
"おまえ達だけでも生き延びよ"か…。
本当に、少年漫画にありそうだねィ。
殺せんせーに関しては絶対それはないだろうがな。
何故弟だけ人間なのか。それが突然変異だと告げ、プロットをよく練らないとと指摘を受ける不破さん達の会話を余所に、私は思考の海に沈む。
遺伝子的な話で兄弟と言っているのかもしれないが、そうでない可能性だってある。
さっき岡島が話していたように、巨乳好きは皆兄弟というのと似たようなものかもしれないのだ。
例えば機械にしてみれば、造った親や場所が違えど、同じ性能などを兼ね揃えていれば、それは兄弟と呼ばれたりもするだろう。
まあそうなると、このことは殺せんせーの過去について必ず触れなければいけない案件だ。
殺せんせーの隠した過去がわかるかもしれない。こいつは一体、私達に何を見せてくれることやら。
そして、待ちに待ったという程でもないが迎えた放課後。
教室には机のリングが出来上がっていた。
その中央には、まさに今話題のお二人、イトナと殺せんせーが対峙している。
果たして、これは暗殺と言えるのか。甚だ疑問である。
これじゃまるで、試合じゃねぇか。
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白猫 - まじで面白いです。更新楽しみにしています。 (2019年10月7日 16時) (
レス) id: fe959518f7 (このIDを非表示/違反報告)
餅みそ - 銀魂と暗殺教室のコラボ→神!!! つまりこの小説神!!!早く続きが読みたいです気になります!更新頑張ってください。 (2019年8月21日 18時) (レス) id: bfc2e3a90c (このIDを非表示/違反報告)
藍夜(プロフ) - 沖野猫松さん» コメントありがとうございます！面白いと言って頂けて、とても嬉しいです！これからも更新、頑張りますね！ (2019年8月20日 19時) (レス) id: 47c8e13314 (このIDを非表示/違反報告)
沖野猫松 - とっても面白かったです！更新頑張ってください！ (2019年8月20日 18時) (レス) id: 40ce46605e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：藍夜 | 作成日時：2019年7月21日 21時
