平和な時間 ページ46
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｢面白かった〜。あそこで引かれると、めっちゃ続編気になるよね。｣
あれから私達は先生の解説を聞きながら楽しく映画を見終え、日本に帰ってきた。
意外にも映画の内容は面白く、有意義な時間を過ごせたと思う。
だが業の言う通り、ラスボスがヒロインの兄ってのはベタだな。
まあそのベタな展開を良しとするかしないかは、人それぞれだろう。私は意外と好きだしな、その展開。
実際にあったらたまったもんじゃないが。
先生はどうやら前者のようで、ハワイから東京まで泣きっぱなしである。
｢今日はありがとね、殺せんせー。さようなら！｣
｢さようなら。夜道ですので気をつけて。明日までに映画の感想を英語で書いて提出しなさい。｣
｢ええ〜。宿題出るんだ…。｣
｢タダでハワイに行けたんだから、安いもんです。｣
先生の申し出にあからさまに嫌そうな顔をして見せるも、｢そんな顔をしてもダメです｣と言われて終わりだった。
仕方ねえ。先生の言うとおり、タダでハワイに行けたのだ。しかも短時間で。感謝の意を込めつつ、宿題しますかねィ。
｢……今日のが…殺せんせーがいつも見てる景色なんだね。｣
｢……知れば知るほど、先生の命が視界から遠のいていく気がするよ。｣
そんな弱気な事を言う二人の背中を、思いきり強く叩く。
二人は咳き込みながら、何をするんだと言って私の方を向いた。
『視界から遠のいたんじゃない。近づいたんだ。あれが先生のいつも見ている景色だって分かったんだからな。
確かに、あの超生物は簡単には殺せやしない。弱点という弱点もない。だがそこで弱気になってちゃ、いつまで経っても殺せねえぜ。
殺すなら、殺すことだけ考えやがれ。』
｢言ってることは物騒だけど…そうだね。これもひとつの収穫か。｣
｢流石は俺達より歳食ってるだけはあって、言うことが違うね。｣
『おう喧嘩売ってんのか。』
少しばかり場も和み、談笑をしながらも帰路に着く。
案外こうやって生活するのも悪くない。血生臭くなく、ただ幸せな時が流れている。
早く、そんな時代が来ればいいのに。
誰も死なず、傷つかず、苦しまない、平和な時代が。
｢A？どうしたの？急にぼーっとして。｣
『ああ、いや、何でもないですぜ。ただ少し、考え事をしてただけでさァ。』
｢ぼーっとして僕達に着いてきてるけど、家逆方向だよね？大丈夫なの？｣
『二人を送ってから帰るから、大丈夫ですぜ。』
｢普通立場逆でしょ、それ。｣
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白猫 - まじで面白いです。更新楽しみにしています。 (2019年10月7日 16時) (
レス) id: fe959518f7 (このIDを非表示/違反報告)
餅みそ - 銀魂と暗殺教室のコラボ→神!!! つまりこの小説神!!!早く続きが読みたいです気になります!更新頑張ってください。 (2019年8月21日 18時) (レス) id: bfc2e3a90c (このIDを非表示/違反報告)
藍夜(プロフ) - 沖野猫松さん» コメントありがとうございます！面白いと言って頂けて、とても嬉しいです！これからも更新、頑張りますね！ (2019年8月20日 19時) (レス) id: 47c8e13314 (このIDを非表示/違反報告)
沖野猫松 - とっても面白かったです！更新頑張ってください！ (2019年8月20日 18時) (レス) id: 40ce46605e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：藍夜 | 作成日時：2019年7月21日 21時
