映画 ページ45
ゆっくり加速するとは言ったものの、天人である私でも速いと思うほどだ。常人の渚や業なんか、そりゃものすごく速く感じている事だろう。
太平洋があっという間に見えてくるほどの速さに驚きつつ、渚が先生の頭で音と風がほとんど弾かれていることに気づいた。
どうやら普段は柔らかい先生の頭は、圧力を受けると硬くなるらしい。
まったく、どんな体の作りしてやがんだ、このタコは。
｢音速飛行には、君達の知らない高度な物理法則がからんでいますが、先生の皮膚と似た原理なら、君達の身近にもありますよ。
そのひとつ、ダイラタンシー現象について学んでみましょう。｣
そう言うとどこから取り出したのか、ビーカーに片栗粉と水を入れ、あろう事か授業を始めてしまった。
｢…暗殺しないのですか、カルマさん？密着した今はチャンスかと思われますが。｣
｢無茶言うなよ律。今殺れても俺等までマッハで太平洋にドボンだよ。完全に殺せんせーの思うツボだ。大人しく授業受けるしかないよ。｣
それから大人しく授業を受けていると、また陸が近づいてくる。
そして殺せんせーは、何処かの屋根の上に降り立った。
｢…とまぁそのように、最新の防弾チョッキにも応用されてる技術なのです。ひとつ賢くなったところで、映画館はこの下ですよ。｣
……着いてしまった。授業を軽く受けている間に、ハワイまで。
しかし、暑すぎではないだろうか。暑さには覚悟していてが、ここまでとは。
地球の暑さには少し慣れた気でいたが、さすがに日本と別な場所、しかも南国に来たとありゃ慣れもクソもない。
私は意味もなく手で顔を扇ぎながら、先生の待つ下へと降り、映画館へと入る。
そこは外の暑さとはうってかわり、とても過ごしやすい程に冷房が効いている。
｢鬼山さん、防寒具いらないの？｣
『は？防寒具ゥ？そんなのいらねぇよ。ただでさえ死ぬほど暑かったってのに、渚は私を殺したいのかィ？』
｢鬼山さんは鬼虎ですからね。寒さには強いのでしょう。｣
先生のその言葉に頷き、二人が防寒具を受け取ってから、指定席へと移動する。
渚が日本語字幕がないからと不安がっていれば、私達は英語の成績も良いし、イリーナ先生から鍛えられているから大丈夫だと先生は言った。
｢それと先生の触手を耳に。習っていない単語が出たら解説します。あとは頑張って、楽しみながら聞き取りましょう。｣
そう言われ、少し気持ち悪い気もしたが大人しくその触手を耳にはめた。
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白猫 - まじで面白いです。更新楽しみにしています。 (2019年10月7日 16時) (
レス) id: fe959518f7 (このIDを非表示/違反報告)
餅みそ - 銀魂と暗殺教室のコラボ→神!!! つまりこの小説神!!!早く続きが読みたいです気になります!更新頑張ってください。 (2019年8月21日 18時) (レス) id: bfc2e3a90c (このIDを非表示/違反報告)
藍夜(プロフ) - 沖野猫松さん» コメントありがとうございます！面白いと言って頂けて、とても嬉しいです！これからも更新、頑張りますね！ (2019年8月20日 19時) (レス) id: 47c8e13314 (このIDを非表示/違反報告)
沖野猫松 - とっても面白かったです！更新頑張ってください！ (2019年8月20日 18時) (レス) id: 40ce46605e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：藍夜 | 作成日時：2019年7月21日 21時
