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久しぶりの声 ページ31

これで電話に出なかったら、おそらく鬼のようにメールや電話が来るだろう。

それはそれで面倒くさい。


『…なんでィ総悟。今修学旅行中なんだけど。』

「テメェが返事送ってこねぇからだろィ。」

『少し遅れたっていいだろうが!お前は面倒くさい彼氏かコノヤロー。』


そう言いつつも、総悟の声が久しぶりに聞けたことは少し嬉しい気もする。


総悟への気持ちに気づいたのはだいぶ昔の話だが、未だに伝える気にはなっていない。

……そもそも、伝えるつもりはない。



私はいずれ、故郷に帰らなければならないのだから。



「おーい、聞こえてんのかィ?」

『ん?ああ、聞いてなかった。何でィ。』

「写真早く送れって言ってんだよ。撮ってんだろ?」

『まあそれなりに。後で送るわ。』

「ああそれと、何かされなかったか。」

『…何か、とは?』

「近藤さんが、Aがいやらしい事をされているだかなんだか言い出したんで、一応確認取るかと思ってねィ。」


……近藤さん…。あんたどんなセンサー付いてんでさァ。

別にいやらしい事はされて…ないな。あれは殺しにかかってただけだもんな。


『いやらしい事は微塵も起きてないんで、近藤さんのそれ、当てになんねェぜ。』

「それは分かってらァ。で、"は"って事は他はあったんだな?」


……なんだコイツ。珍しく鋭いじゃねェか。
それに、なんでここまで聞いてくるんだ?


『まあ拉致られてゆる〜く殺されかけたな。』


そう言うと、電話の向こうで物凄い音が響いた。

お?なんだ?何が起きた?


どうやら総悟が足を踏み外して、縁側から外に落ちたらしい。


何やってんだか。


ってか旅館内がうるせえ。一旦通話切るか。


「殺されかけたってなんでィ!!」

『ああ、首絞めとナイフでちょっと。あとこっち騒がしくなったんで切りぜ。』

「おい!待っ」


さて。様子でも見てみるか。

そう思い屋根から逆さまになり、中を見ようとすると、目の前に茅野さんと渚がいた。


「うわっ!…何やってんの、鬼山さん。」

『風に当たってやした。騒がしいが、何かあったのかィ?』


それから全ての経緯を話され、殺せんせーに呆れざるを得なかった。

私のも聞かれているのかと思うと殺意が沸くが、どうせ捕まらねえし追いかける気にもなれない。


それから大人しく部屋に戻り、早々に眠りにつくことにした。


もちろん、総悟からは鬼のように電話がきているのだが、睡眠時間削れるだろうし、面倒だから放置だ放置。

転校生→←恋バナよりチョコバナナの方が好き



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白猫 - まじで面白いです。更新楽しみにしています。 (2019年10月7日 16時) (レス) id: fe959518f7 (このIDを非表示/違反報告)
餅みそ - 銀魂と暗殺教室のコラボ→神!!! つまりこの小説神!!!早く続きが読みたいです気になります!更新頑張ってください。 (2019年8月21日 18時) (レス) id: bfc2e3a90c (このIDを非表示/違反報告)
藍夜(プロフ) - 沖野猫松さん» コメントありがとうございます!面白いと言って頂けて、とても嬉しいです!これからも更新、頑張りますね! (2019年8月20日 19時) (レス) id: 47c8e13314 (このIDを非表示/違反報告)
沖野猫松 - とっても面白かったです!更新頑張ってください! (2019年8月20日 18時) (レス) id: 40ce46605e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:藍夜 | 作成日時:2019年7月21日 21時

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