理事長 ページ16
放課後となり、体育着に着替え刀を腰に差したあと、先生を呼びに行くために職員室へと歩を進めた。
すると、その方向から聞きなれない声が聞こえてきた。
……神楽ちゃんのお父さんに似てるなこの声。
そう思いながら、足音を立てないように近づき、聞き耳をたてる。
傍には渚がいて、静かにするようにと口に人差し指をたて合図した。
「率直に言えば、ここE組は
このまま……つまり、何もかもが最底辺な今の状態を維持しろということか。
何が働き蟻の法則だ。
こんなもの、95%はただのクソガキに育つだけじゃねぇか。
近藤さんに理事長してもらいてぇくらいだ。
「「E組のようにはなりたくない」
「E組にだけは行きたくない」
95%の生徒がそう強く思う事で…この理想的な比率は達成できる。」
「…なるほど、合理的です。それで、5%のE組は弱く惨めでなければ困ると。」
……他クラスからの苦情がなんでィ。
だいたいここにいるやつは、そんな"殺すぞ"なんてこたァ言わねぇ。
言うとしたらそれは私だけでさァ。
「暗殺をしてるのだから、そんな目つきも身につくでしょう。それはそれで結構。
問題は、成績底辺の生徒が一般生徒に逆らう事。
それは私の方針では許されない。
以後厳しく慎むよう伝えてください。」
そう言って理事長は懐から知恵の輪を出すと、1秒以内に解けと殺せんせーにそれを投げた。
そんなの殺せんせーにとっては簡単だ。
が、1秒後。
無様にも知恵の輪と触手が絡まってしまっていた。
渚の顔見てみなよ。凄いぞこの顔。
なんてザマだって驚いてるよ。
呆れつつもその光景を見ていれば、では私はこの辺で。という声がした後に、理事長が職員室から出てきた。
渚と共に静かに見つめていれば、理事長の顔に笑顔が作られた。
「やあ!中間テスト期待してるよ。頑張りなさい!」
冷めきった笑顔、そしてとても乾いた"頑張りなさい"。
なんともまあ感じの悪い奴なんだろうか。
去っていく理事長の背中を見つめながら、私は静かに親指を下に向けた。
『近藤さんとその座代われや、クソッタレが。アイツが人の上に立ってる理由が分かりゃしねぇ。
渚、気にするんじゃねぇぜ。何がエンドのE組だ。こっちにはあのタコがいる。今からの伸ばしゃいいじゃねぇか。』
そう言って笑いかければ、渚は強ばっていた顔を緩め、少し自信なさげにだがしっかりと頷いてくれた。
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白猫 - まじで面白いです。更新楽しみにしています。 (2019年10月7日 16時) (レス) id: fe959518f7 (このIDを非表示/違反報告)
餅みそ - 銀魂と暗殺教室のコラボ→神!!! つまりこの小説神!!!早く続きが読みたいです気になります!更新頑張ってください。 (2019年8月21日 18時) (レス) id: bfc2e3a90c (このIDを非表示/違反報告)
藍夜(プロフ) - 沖野猫松さん» コメントありがとうございます!面白いと言って頂けて、とても嬉しいです!これからも更新、頑張りますね! (2019年8月20日 19時) (レス) id: 47c8e13314 (このIDを非表示/違反報告)
沖野猫松 - とっても面白かったです!更新頑張ってください! (2019年8月20日 18時) (レス) id: 40ce46605e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:藍夜 | 作成日時:2019年7月21日 21時