朱羽 ページ11
残りの授業も全て終わり、皆で廊下を歩きながら私は朱羽の説明をした。
夏目は朱羽を知っているから、それも踏まえて皆に伝えると、一緒に帰ってもいいとの事。
皆で保健室へと向かってみれば、朱羽は大人しく椅子に座って待っていた。
つまらなそうな顔が、私の顔を見た瞬間にパッと晴れ渡る。
｢穂ノ目！｣
そして、また私に抱きついてきた。
それを抱きとめて、頭を撫でる。
『待たせてごめんね。帰ろっか。』
｢うん！｣
私に笑顔を向けていた朱羽だけど、夏目以外の人を見た瞬間に、その顔を一気に不機嫌そうにした。
｢……穂ノ目、誰。｣
『夏目と同じで、私の友達だよ。ごめんね、皆。この子ちょっと恥ずかしがり屋で。』
皆に笑いかければ、大丈夫だと言って皆も笑ってくれた。
朱羽はしばらく皆の顔を眺めたあと、少し顔を緩ませて口を開いた。
｢俺、朱羽。…よろしく。｣
皆が口々によろしくと言う中、私は朱羽が自分から挨拶をしたことに感動していた。
それから皆で家路につき、またいつも通りその場を別れる。
が、朱羽が田沼と多岐にこっちに来いと言って、二人も私と夏目の家の方へと来たのだった。
『朱羽、どうして田沼達をこっちに来させたの？』
｢こいつら、おかしい。普通の人間、違う。｣
ああ、なるほど。朱羽は妖だし、周りの人と少し違った雰囲気が分かったのね。
その発言を不思議がっている二人に、私は説明を始めた。
『朱羽はね、実は妖なのよ。私にわざわざ会いに来てくれたんだって。』
｢え！そうなのか？｣
｢夏目くんは知ってたの？｣
｢ああ。俺は一度会った事があるしな。｣
｢お前ら、何者。話せ。｣
少しまた態度がキツくなった朱羽を窘めれば、二人は笑いながら自分たちの事を朱羽に説明してくれた。
優しい顔つきの二人に安心したのか、朱羽は二人の話を聞き終えればまた、表情を緩めた。
｢穂ノ目、友達多い。良かった。｣
『ふふ、ありがとう。』
ニコニコしながら私を見つめる朱羽の頭を撫でれば、朱羽は何かを思いついたように私以外の三人に顔を向けた。
｢お前らも祭り、来い！祭り、楽しい！妖、穂ノ目の友達、喜ぶ！｣
｢祭り？｣
『妖のお祭りが一週間後にあるんだって。』
でも、田沼や多岐が来たところで、二人には妖が見えない。
そしたら、十分に楽しめないかも。
｢見えない、心配するな。俺の力、使う。見えるよう、なる！｣
そう言って、自信満々な顔つきで朱羽は胸を張った。
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うたプリ大好き?(プロフ) - 完結になっていますが、これで終わりなのでしょうか？ (2020年10月18日 11時) (
レス) id: 48370e286a (このIDを非表示/違反報告)
白猫 - この作品面白いです。更新頑張ってください！続き楽しみにしています。 (2019年9月27日 22時) (レス) id: fe959518f7 (このIDを非表示/違反報告)
蝶華 - 初めてこのお話を読みましたが凄く良いです！これからも頑張ってください！応援しています！ (2019年9月2日 21時) (レス) id: 70b9e10207 (このIDを非表示/違反報告)
しろ(プロフ) - 更新お疲れ様です！最近夏目友人帳にニャンコ先生関連ではまっていてこの作品もとても楽しませてもらっています！徹夜して読みましたww 体調に気をつけて頑張ってくださいっっ！！ (2019年7月20日 15時) (レス) id: a81fa4594d (このIDを非表示/違反報告)
藍夜(プロフ) - かなとさん» すみません、すぐに気づいて直してきました。ご指摘ありがとうございます！ (2019年6月7日 22時) (レス) id: 4ffe17b14f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：藍夜 | 作成日時：2019年6月7日 22時
