合流 ページ1
意外と短時間で発見することは出来たものの、人形に掴まれていた足や、払った手が痛む。
今回はちょっとやばかったかもな。
一応お札を持ってて良かった。
そう思いつつ、合流するために夏目達の方へと向かう。
すると、ちょうど多岐も行こうとしている所で、一緒に夏目達の所へと足を進めた。
『夏目ー、田沼ー!見つかったよー!もう少しでお風呂の時間だし戻ってきてー!』
そう呼びかければ、茂みの方から夏目達が顔を覗かせた。
蒼葉達は私を見るなり駆け寄ると、ギュッと抱きしめてきた。
抱きしめられた拍子に足や手が痛んだけど、それを悟られないように三人を優しく離し、ブレスレットを渡した。
「お前たち…本当にありがとう。」
「A、すまなかった。これからは絶対に落としたりしない。」
「私も絶っ対に肌身離さず持ち歩きます!!無くしたり致しません!!」
感謝の気持ちと決意を顕にした三人を見て苦笑をしながら、夏目達にもきちんとお礼をする。
そうして中に戻ろうとした時、言いにくそうに多岐が私を呼び止めた。
「あのね、Aちゃん。聞いて欲しくないみたいだったから聞かなかったけど、やっぱり放っておけなくて。
Aちゃん、どこか怪我してない?
あそこから戻ってきてから、酷く疲れてるみたいだったから……。」
怪我、という程ではないと思うけど、それに気づくなんて多岐はすごいね。
いくら何事も無かったように装っても、バレる人にはバレちゃうか。
私が言い淀んでいると、蒼葉がそっと私の手を取った。
「……暗くて見えにくかったけど、あんた、手赤くなってるじゃない。何があったんだい?」
蒼葉が発した言葉に、その場にいる全員が心配そうな顔で私を見つめてくる。
心配されるのは嬉しくもあるし嫌でもある。
この感情は、なんと分かりにくいものなんだろうか。複雑で、なんともいえないものね。
これ以上心配はかけさせたくなくて、私は皆が安心できるようにと笑顔を向けた。
『ブレスレットを探してる時に、封印が破れてた扉を見つけちゃって。そこにいた妖が持ってたから、少し強引になっちゃったけど返してもらったの。
その時にちょっと襲われちゃって。
でも大丈夫。封印もし直したからあの妖が出てくることは無いし、怪我も全然大したことないよ。』
私がそう言い終われば、妖三人の顔が青くなっていた。
紫水に至っては大きな瞳から大粒の涙を流している。
ああ、やばい。やらかした。
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うたプリ大好き?(プロフ) - 完結になっていますが、これで終わりなのでしょうか? (2020年10月18日 11時) (レス) id: 48370e286a (このIDを非表示/違反報告)
白猫 - この作品面白いです。更新頑張ってください!続き楽しみにしています。 (2019年9月27日 22時) (レス) id: fe959518f7 (このIDを非表示/違反報告)
蝶華 - 初めてこのお話を読みましたが凄く良いです!これからも頑張ってください!応援しています! (2019年9月2日 21時) (レス) id: 70b9e10207 (このIDを非表示/違反報告)
しろ(プロフ) - 更新お疲れ様です!最近夏目友人帳にニャンコ先生関連ではまっていてこの作品もとても楽しませてもらっています!徹夜して読みましたww 体調に気をつけて頑張ってくださいっっ!! (2019年7月20日 15時) (レス) id: a81fa4594d (このIDを非表示/違反報告)
藍夜(プロフ) - かなとさん» すみません、すぐに気づいて直してきました。ご指摘ありがとうございます! (2019年6月7日 22時) (レス) id: 4ffe17b14f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:藍夜 | 作成日時:2019年6月7日 22時