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ゆめくんはさっきの二人と同じ、東海オンエアのメンバーの一人だ。高校も一緒で、卒業してから全くってほど会わなかった。
《やぁどうも、東海オンエアのてつやと》
派手な髪型になった小柳津も
《しばゆーと》
いつの間にか結婚してパパになった柴田も
《りょうと》
身長がバカでかくなったりょうも
《としみつと》
切れ長の目をしたとしみつも
《ゆめまると》
そしてもちろん、ゆめくんだって。みんな同じ高校だった。
《虫眼鏡だ》
この虫眼鏡は小さい頃近くに住んでいた知り合いだったから、一応知ってるけどやっぱり会わない。みんないつの間にか遠い存在になってしまった。
ゆめくんとは高校の時に会った。空手をやっていたわたしは空手部に、ゆめくんはりょうたちと同じ陸上部に。友達がいなかったわけではないけど、何故かいつもお昼は一人になる。そんな私に声をかけてくれたのが、同じクラスのゆめくんだった。
「(人1)さん、一緒にどう?」
その時私は何といったのかは覚えてないけど、ゆめくんの隣を歩いている時、ゆめくんは私の歩幅に合わせて歩いてくれた。
やっぱりお昼は一人になる私を、ゆめくんはずっと誘ってくれた。そこで小柳津や柴田、りょうやとしみつに出会った。教室では全く喋らないゆめくんとは、お昼にたくさん喋った。相槌を打ちながら話を聞いてくれるゆめくんの優しさに、私はどんどん惹かれていった。
でも勇気のない私は、ゆめくんに告白することもないまま、卒業した。ただ覚えているのは、クラスの集合写真で隣同士だったことだけ。
しかし、全く会うことのなかった私たちが再開したのは私が今日飲んでいた居酒屋だった。私が一人で飲んでいると、
「A、だよね?」
と言って話しかけてくれた。その後、飲みながら喋った。久しぶりだから気まずいかな、と思っていたけどそんなこと無かった。ゆめくんの優しさは相変わらずで、やっぱり相槌を打って話を聞いてくれた。
ふとした時にゆめくんは言った。
「俺ね、今好きな人がいるんだ〜」
爆弾を落とされた気分だった。私は焦りを見せることなく、話を続けた。
『どんな人?』
「写真あるよ」
見せてくれた写真に写っていたのは、可愛らしい女の人だった。私とは全く違うタイプの、ゆめくんにぴったりだと思った。
『可愛い人だね!ゆめくんにだったらお似合いだよ』
そう言うと、ゆめくんは嬉しそうに笑った。
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あやもち(新アカウント)(プロフ) - リンさん» ちょっと違う気がしますがありがとうございました! (2018年1月20日 22時) (レス) id: c7791dfc52 (このIDを非表示/違反報告)
リン - ありがとうございました。面白かったです。 (2018年1月20日 22時) (レス) id: da57983ead (このIDを非表示/違反報告)
未来(プロフ) - ありがとうございます!! (2018年1月20日 21時) (レス) id: 3b3f15d52b (このIDを非表示/違反報告)
あやもち(新アカウント)(プロフ) - 未来さん» 了解です! (2018年1月20日 21時) (レス) id: c7791dfc52 (このIDを非表示/違反報告)
未来(プロフ) - りょうくんとイチャイチャするシチュエーションってお願いできますか?? (2018年1月20日 21時) (レス) id: 3b3f15d52b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あやもち(新アカウント) | 作者ホームページ:https://twitter.com/avntis_TO_mizu
作成日時:2017年11月17日 14時