4 ページ33
ここ数日、ずっと屋上にいって(人1)さんに会いに行った。いつも最初にいるのは(人1)さんだったけど。
「今日は傷だらけだね…」
『めんどくさくなって、すぐ来たんです』
(人1)さんは屋上の柵に片手を乗せて、こっちに背を向けたまま話していた。
「いつも手当してから行くの?」
『はい』
「そんなん、治さないでいけばいいんじゃ…そうすれば先生に…」
『言われてるんです』
「あ…前髪……」
(人1)さんの前髪は、ピンで留められていた。
『おでこ怪我したんで』
「……あ、大丈夫?」
『大木くんこそ…今日は上の空ですね』
上の空になるのはしょうがないと思う。
ここ数日の間で初めて見たというくらいだった。(人1)さんの顔を。
「(…かわいいじゃん)」
知らぬ内に好きになっていたのかもしれない。隣にいると早くなる動機も、今までのこと、全部、全部。
「(人1)さん、さ」
『なんですか』
「………」
『…大木くん?』
たった2文字が言えない。
ただ口が開くばかりで、伝えることが出来ない。
「ごめん、なんでもない」
『そうですか』
言えよ、馬鹿。なんで言わないんだよ。
「あ、ごめん!俺行かないと。友達に怒られる」
『お気をつけて』
俺は逃げた。
いや、今は言えないと思ったんだ。言う時じゃないと思ったんだ。
「…(人1)さん、明日も来る?」
『……もちろん。来ます』
「そっか。じゃあ、俺も来るね?」
『お好きに』
「また明日」
(人1)さんは返事をしなかった。ただぼーっと、向こうの街並みを見つめているだけだった。
明日こそ。
☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆
長くなってすみません
続きます。
102人がお気に入り
「短編集」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あやもち(新アカウント)(プロフ) - リンさん» ちょっと違う気がしますがありがとうございました! (2018年1月20日 22時) (レス) id: c7791dfc52 (このIDを非表示/違反報告)
リン - ありがとうございました。面白かったです。 (2018年1月20日 22時) (レス) id: da57983ead (このIDを非表示/違反報告)
未来(プロフ) - ありがとうございます!! (2018年1月20日 21時) (レス) id: 3b3f15d52b (このIDを非表示/違反報告)
あやもち(新アカウント)(プロフ) - 未来さん» 了解です! (2018年1月20日 21時) (レス) id: c7791dfc52 (このIDを非表示/違反報告)
未来(プロフ) - りょうくんとイチャイチャするシチュエーションってお願いできますか?? (2018年1月20日 21時) (レス) id: 3b3f15d52b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あやもち(新アカウント) | 作者ホームページ:https://twitter.com/avntis_TO_mizu
作成日時:2017年11月17日 14時