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学校から遠のいていくと、だんだん目尻に涙が溜まっていった。その涙はすぐに私の頬を伝った。なまぬるい。

『っ、』

私はそれをブレザーの袖で拭い、いつもの練習みたく思いっきり突っ走った。

『げほっ、げほっ、っ、は』

陸上部は中学校からやってるから、普段は息切れなんてしないはずなのに、今はすぐに倦怠感と息切れが襲ってきた。絶対泣いてるからだと思うけど。
でも私は立ち止まることはなかった。ただただ無性に走りたかった。何もかも忘れたかった。

ここ最近の違和感の意味が、胸の奥のモヤモヤが、そらからの報告で、何が崩れた感じがしたのか、今日やっと分かった。なんで今まで分からなかったのか不思議なくらい。

『はぁっ、っう、げほっげほっ、!』

胸の奥のモヤモヤは、そらの彼女、すなわちあのショートカットの女の子への嫉妬心。崩れたのは、私のそらに対する恋心だった。
私は気づかないうちにそらを好きになってしまっていた。ただの親友だったはずなのに、その友情はいつしか恋心に変わったんだろう。

着いた先は自分の家で、玄関を開けて勢いよく閉めた。家はシンとしていた。そういえばお母さん夜勤だったっけ。

『好きじゃないよ…そらなんか、あんなやつ、ぜったいに好きじゃない…』

靴を履いたまま床に寝っ転がり、小さな声で呟いた。小さな声で言ったけど、静かな家にはやけに響いた。

『好きじゃない…』

"大切なものは失ってから気付く"だなんて、誰が考えた言葉なんだろう。今の私にぴったりじゃないか。

『好きじゃ、…っ、ないってばぁっ…!』


私の声は虚しく廊下にだけ響いた。
誰も聞いていない醜い私の言葉。誰も知らない醜い私の顔。



好きだと気付かなかった私が悪かった。






☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆
鈴様、リクエストありがとうございました!

遅くなってしまい大変申し訳ありませんでした…:(;゙゚'ω゚'):

なんか少し違うような…ご要望の通りじゃなかったらすみません。

またの機会リクエストお願いします(・∀・)

ありがとうございました!

ツリメ【ごま様リクエスト】→←3



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設定タグ:YouTuber , 短編集 , 悲恋
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あやもち(新アカウント)(プロフ) - リンさん» ちょっと違う気がしますがありがとうございました! (2018年1月20日 22時) (レス) id: c7791dfc52 (このIDを非表示/違反報告)
リン - ありがとうございました。面白かったです。 (2018年1月20日 22時) (レス) id: da57983ead (このIDを非表示/違反報告)
未来(プロフ) - ありがとうございます!! (2018年1月20日 21時) (レス) id: 3b3f15d52b (このIDを非表示/違反報告)
あやもち(新アカウント)(プロフ) - 未来さん» 了解です! (2018年1月20日 21時) (レス) id: c7791dfc52 (このIDを非表示/違反報告)
未来(プロフ) - りょうくんとイチャイチャするシチュエーションってお願いできますか?? (2018年1月20日 21時) (レス) id: 3b3f15d52b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あやもち(新アカウント) | 作者ホームページ:https://twitter.com/avntis_TO_mizu  
作成日時:2017年11月17日 14時

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