09 ヒーロー ページ10
「思ったより動けるんだ・・・想定外。薄汚いおじさんかと思ってた。」
体制を整え、私は喋りながら尚も飛びかかろうとする。
着地して、手を地面に着く。
脚を蹴って、もう一度跳躍
「んっ！？」
空中を浮遊した瞬間、白い包帯のような何かが此方へ向かってきた。
咄嗟のことで私反射的に切ろうとしたが
「切れなっい！？」
思わず声に出した。
包帯に刀で斬るのを拒まれたからだ。
「残念だったな。」
男の低い声とともに包帯みたいな物が私の体に巻き付く。
動けないよう腕を巻かれ、ナイフは離していないけれど動かせず私はもがく。
「炭素繊維に特殊合金の鋼線を編み込んだ「捕縛武器」。女の力じゃ振り解けるわけがない。
俺を狙った理由にはいちいち興味はないが、
銃刀法違反だけは確実だな。」
あー、成る程な。と案外納得する。厄介な相手を選んでしまった、私の運も尽きちゃったんだろうか。
手際が良すぎる、何度も経験しているみたいに。
「おじ・・・お兄さん、ヒーロー？」
私が問うと、お兄さんは冷めた目で見ながら簡潔に言った。
「答えるのは時間の無駄だ。先ずは取り調べが先だろ。」
グッと更にきつく締められる。
時間を稼いでみようか、と私は彼に話しかける。答えないとわかっている質問を。
「お兄さんの個性ってやつはどんなの？」
「答えるのは時間の無駄だ。」
矢張り答えてくれないらしい。残念だ。先程からお兄さんの髪が逆だっているのも関係しているのかもしれないが、どうなのだろう。髪を操る個性ではないとは思う。
斬れない、振りほどけない。
詰みゲーのように思えるのかもしれないけれど、この程度の拘束で私が捕まる。嫌々、そんなわけ無いでしょう。
「ハァ・・・・嫌だなァ、警察は大嫌い。警察なんて要らないなァ。」
独り言、精神安定剤を投入して私は目を見開く。
自分を縛る白い包帯を見つめて、すうっと息を吸って笑いながらボソリとつぶやく。
「異能力『平家物語』」
拘束が解けたら駆け出して、首筋を狙おうと手に力を込めながら。
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アヤ(プロフ) - ロンさん» マジですか！？書き直します！ (2018年5月5日 15時) (
レス) id: aea21ba90e (このIDを非表示/違反報告)
ロン - あれ…相澤先生ってミッドナイトに敬語使ってたはずじゃ… (2018年5月5日 15時) (レス) id: 96ff2658c5 (このIDを非表示/違反報告)
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