反逆者の炎 part2【HUNTER×HUNTER】

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「でもその代わり、僕が勝ったらきみから何でも貰うよ？大丈夫？これは絶対に破れない約束だよ？」

挑発するように軽薄に笑った。

「いいよ」

その態度が決定打となった。計画通り彼女は挑発に乗った。
条件が揃った。
念が使えない彼女には見えていないだろうが、自分の左手は煌々と光を宿す。

頭の中で鐘の音が響いた。

「じゃあ、初めよう。
右手のコインは何色？」

赤と青、２つのコインを投げ空中でそれらをキャッチする。
あまりに特別のない動きに少女が退屈げに目を細めた。

「赤」

その言葉を聞いた瞬間は上がる口角も、溢れる声も押さえるに苦労した。
10.9.8.7.6.5.4.3.2.1と数を唱え退屈そうな彼女に見えるように指を一本一本開き掌を見せる。

「ざぁんねん、約束通り全て貰うよ」

右手の中にあるコインは黒だ。
そのコインを視界に入れた瞬間、一瞬目を見開き彼女の身体はその場に崩れ落ちた。

哀れな天使。
清らかで純粋な存在は人間の汚さをまだ知らない。

掌のコインは確かに赤だった。
"赤"だったんだ。

単純なイカサマ。
10秒ほど握りしめ熱を加えれば色が変化するありきたりな仕掛け。そんなものに引っかかるなんて、なんて愚かなんだ。

白い生き物を胸に抱え込む。
甘い香りが鼻腔を擽る。自分は許されざる行為をしている。いつか罰を受ける。
自分が彼女に対してする事の全てはこの子を傷付ける行為であり、憎まれる行為だ。だがそんなことどうだっていい。
なんだっていい。これが手に入るなら、なんだっていい。

白銀の前髪を書き上げ、その柔らかい額に唇を落とす。

記憶を奪った。
肉体の所有権を奪った。
夢を奪った。

彼女が今まで生きる上で支えとしていた全てを奪った。
容赦も慈悲もなく羽をもぎ取る。

愉快でたまらない。

笑い声が押さえられない。

私はきっと気が狂ったのだろう。
だとしたら、私の気を狂わせた彼女が悪い。

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